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○オリジナル武器(龍悪自作武器) ●メインウェポン ○ANGELUS専用 『GRADIUS』 系統:大光銃剣 重量:20 攻撃:0~∞ 命中/HIT数:0/1 射程:0~∞ 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:0~∞ ダウン:0~∞ スキル:[攻]MEGA CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:MEGA CRASHはその場に存在するものを全て消滅させる攻撃。 通常攻撃は近距離の場合は斬りつけ、遠距離は剣の先から螺旋模様線状レーザーのCYCLONE LASERを撃つ、中距離は使い主の意思のままにどっちかで攻撃する。 他にもリング拡散型レーザーのROPPLE LASER、連射型レーザーのTWIN LASER、波動砲型のENERGY LASERがある。 覚醒するとHYPERという名前がつきANGELUSとGRADIUSの性能が一気にパワーアップ。 人口知能が入っていて、性格はアンジェラスに的確な指示と気遣う優しい、女性の声で言葉は英語で語る。 実は武装神姫にも変形できます、ようするに擬人化ですよね。 擬人化した後、アンジェラスの支援をします。 容姿について、顔は小さく銀髪のツインテックにアホ毛が二本で目の色は赤。 性格はGRADIUSと同じです、といいますか、マンマ同一人物です。 この状態ではGRADIUSを使用する事は出来ません。 ただし、かなりGRADIUS自体がかなり強いので支援は期待できます。 翼は背中に六本生えていて、腰辺りに二本生えています。 最後に、GRADIUSはまだまだ未完成です。 更なるバージョンアップがあるでしょう。 剣版 擬人化版 (下の画像は、翼は限りなく結構動かせます) ○CRINALE専用 『ネメシス』 系統:重力剣 重量:∞ 攻撃:20000 命中/HIT数:100/4 射程:使用者の有視界 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:500 ダウン:500 スキル:[攻] GRAVITY CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:GRAVITY CRASHは重力に因って無理矢理敵を自分の所まで引き寄せ、ある程度まで近づいてきたら攻撃し敵の内部で爆発させる攻撃。 通常攻撃はGRAVITYが敵に接触した時にその場で重力空間を発生させ、その重力空間は爆発する。 人間の目から見て殴った瞬間に爆発するように見える。 中距離は二次元の球を作りだしその穴に向かって銃類の武器で攻撃、その攻撃は敵を中心にして間合い半径1メートルから10メートルの間で360度ランダムで撃った攻撃が敵に向かっていく、GRAVITY HOLEというものがある。 人口知能が入っていて、性格はクリナーレにお調子者で少しチョッカイするが結構頼りになる、男性の声で言葉、日本語で語る。 ○LUNA専用 『沙羅曼蛇』 系統:火炎灼剣 重量:1 攻撃:10000 命中/HIT数:1000/444 射程:0~500 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:1000 ダウン:0 スキル:[攻] 沙羅曼蛇の舞 神姫侵食度:∞ 備考:沙羅曼蛇の舞は使用者の神姫の周りに炎渦が取り囲み、蛇のように突進し、敵を斬刻む攻撃。 通常攻撃はある程度相手距離を保ちつつ、隙あらば一気に敵の懐に飛び込み近接攻撃する。 人口知能が入っていて、性格はルーナのいいなりでかなりの無口、でも時々喋る、男性の声で言葉は日本語で語る。 ○PARCA専用 『ライフフォース』 系統:光闇弓剣 重量:10 攻撃:15000 命中/HIT数:10000/4 射程:100~100000 必要:- 準備:300 硬直:0 スタン:900 ダウン:100 スキル:[攻] 光闇矢 神姫侵食度:∞ 備考:光闇矢は二つ種類がある。 光は敵を追尾し、しつこく追いかけるが威力は闇より低い攻撃。 闇は一直線に敵を貫く、光より威力が高い攻撃。 同時に光・闇の攻撃可能。 通常攻撃は普通にノーマルな弓で攻撃。 もしくは敵に近づいて攻撃。 人口知能が入っていて、性格はパルカに全てについて冷静沈着に言い感情がない、女性の声で言葉は日本語だが何故か片言。 ●サブウェポン ○ANGELUS専用 『OPTION』 系統:オプション 重量:0 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:∞ 機動:∞ 攻撃:0~∞ 命中:0~∞ 必要:- スキル:[追] OPTION SHOT 神姫侵食度:∞ 備考:OPTION SHOTは相手に物凄いスピードで体当たりする攻撃。 通常攻撃は神姫と同じ攻撃をする。 ラグビーボールみたいな形状で赤く光っていて数は四個。 装備している神姫の周りをクルクルと回ったり編隊したり神姫の後ろを蛇みたく追いかけたりする。 ○PARCA専用 『モアイラッシュ』 系統:オプション 重量:100 防御:1000 対ダウン:0~10000 対スタン:0 索敵:100 回避:0 機動:50 攻撃:5000 命中:50 必要:- スキル:[追]モアイラッシュ 神姫侵食度:∞ 備考:その名も通りにパルカの間合いにモアイが増殖し相手に体当たりや口からリングレーザーを放つ。 とてもやっかいなスキルである。 ●リアパーツ ○ANGELUS専用 『リアウイングM‐88対消滅エンジン』 系統:リア 重量:10 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:0~∞ 機動:∞ 攻撃:0 命中:0~∞ 必要:- スキル:[移]SPEED UP 神姫侵食度:∞ 備考:SPEED UPは0~5速あって亜光速で好きな場所に移動する事が出来る。 因みにMAXの5速でスキルを使うとLNITIAL SPEEDとなり0速になる。 5速に近ければ回避・起動が上がり、0速に近ければ索敵・命中が上がる。 ○CRINALE専用 『DTリアユニットGRAVITY』 系統:リア 重量:200 防御:1000 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:-100 機動:-100 攻撃:100 命中:0~∞ 必要:- スキル:[防]GRAVITY FIELO 神姫侵食度:∞ 備考:形状はDTリアユニットplus+GA4アームと同格だが、違うのは中身。 GRAVITY FIELOはCRINALEを中心にして球状の重力空間を発生させる、この時のCRINALE状態はその場から動けないが攻撃は可能。 重力空間はありとあらゆる物を引き寄せたり、逆に引き離したり出来る。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動している時間が長ければ長い程、球状の重力空間が面積と体積が増加する。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動の終了をするとCRINALEは自由に動ける、更にGRAVITY FIELOはすぐに無くならず大きさによってラグが発生しその場で残るが時が経てば自然消滅する。 装着しているチーグルアームを駆動させ攻撃も可能。 ●アーマー ○ANGELUS専用 『FORCE FIELO』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の全体を青い光によって包み込み全方向からの攻撃を防ぎます。 アクセサリーのFREE SHIELDより防御力が弱い。 ○LUNA専用 『究極生命態システマイザー』 系統:バリアー&リカバリー 重量:0 防御:700 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:[回] リカバリー 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の表面に究極生命態システマイザーが張り付き敵の攻撃を跳ね返したり、受けた傷を時間とともに完治していく。 ●アクセサリー ○ANGELUS専用 『FREE SHIELD』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の周りに青い弐個の球体のシールドを何処にでも配置できる。 大きさは神姫の半分ぐらいの大きさ。 アーマーのFORCE FIELOより防御力が強い。 ●アイテム 『ストラヴァル』 系統:アイテム補充偵察戦闘機 重量:100 防御:100 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:100000 回避:100000 機動:100000 攻撃:1000 命中:1000 必要:- スキル:補充武器乱射 神姫侵食度:0 備考:補充武器乱射はストラヴァルに積まれている武器を乱射する事です、弾幕攻撃です。 通常攻撃はバルカン砲やミサイルです。 偵察機なので防御方面は弱い。 神姫を二人まで搭乗させる事が可能。 搭乗した神姫のHPは時間とともに回復。 色が地味なのは偵察戦闘機だから。 下の搭乗 上の搭乗 ●アイテム 『ストレガ』 系統:敵殲滅戦闘機 重量:1000000 防御:100000 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:1000 回避:100000 機動:1000 攻撃:1000000 命中:1000000 必要:- スキル:? 神姫侵食度:0 備考:詳細は不明。 ただ解る事は武装神姫で作られた戦闘機である。 バージョンがいくつかあるらしく、これからも改良される可能性が高い。 ノーマルバージョン EXバージョン
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六月の終わり頃の話である。 今日は氷男先輩に神姫バトルのお手合せを頼んだ。風間でもよかったのだが、親戚の葬式の関係でここのところ休んでいる。 グレースは留守番だというが、別に連れて行っても構わない気もする。 まぁ「人の死」を見せない配慮なんだろな、うん。 この町の神姫センターはここら辺のセンターとしては比較的規模が大きい。 時々公式戦で有名なオーナーと神姫も来る故に、それらを見ようと人が多い。 ネットコミュニティで知った話によると、このセンターの出身で有名な神姫は 『蒼穹の猟犬』こと零牙と、『まるかじり猫子』と呼ばれる奇妙なマオチャオらしい。 まるかじりとは一体……? 約束の時間の三分前に来たが、何故か氷男先輩はいなかった。バックヤード近くに人が集まっていたがそれが何なのかは知らない。 ところで、ふとこんなフレーズが頭をよぎった。 『知ってるか? 神姫による対戦は三つに分けられる デジタル戦闘『バトルロンド』 実際に作りこまれたフィールドで戦う『リアルバトル』 違法改造を施した神姫でどちらかが壊れるまで戦う『アウトロー』 この三つだ。あいつは…(あいつって誰だ)』 ここで言う「違法改造」とは、アウトロー用に改造され、神姫はおろか人をも殺すことのできる『狂った』存在を指す。近年はそれらによる殺傷事件も発生しており、大きな社会問題になっていると言う。 まぁ、僕には関係ないがね。 「形人、どうしたの?」 ふと考えてると、ヒカルの呼びかけられハッとする。 「いや、なんでもない」 ~・~・~・~・~・~・~ 結局のところ、氷男先輩がバトルは無理だと謝りにきた。 先ほどトラブルに巻き込まれたらしく、零牙は修理に時間がかかると言う。 「ヒマ~」 ヒカルがバトルに対する情熱を持て余し始めた、お前には人を心配する感情がないのか。 既にメンバーカードは作成したしなぁ…どうするかねぇ? と、ここで 「そこの君。今、対戦相手を探しているのかな?」 突然声をかけられ、そちらの方に振り向く。 オールバックで髪を後ろで縛っている長身のメガネ男がそこにいた。 「まあ、確かに探していますけども」 「ならちょうどいいではないか!、今我々も相手を探していた所だ」 「え!?」 問答無用で対戦申込みの機械まで引っ張られてゆく、なんだよこのおさげバカ。 …… 「申し遅れた。ぼくの名は真 光一(じん こういち)、以後よろしく」 「あ。どうも、彩聞形人です」「わたしはヒカル」 名前を言いあった後、光一はおもむろに上着の裏に手を突っ込み 「そしてこれがウチのマオである!」 勢いよくそれを出した。 「ハラへったのニャ~」 ぐったりしているマオチャオがいた。 初登場が「ハラへってる」ってどうよ? 「「………」」 僕ら、呆然。 ふと見ると、光一のマオチャオはヒカルをジッと見ている。 「肉~…」 などと呟きながら。 「え…何…?」 危機を察知したのか、ヒカルが後ずさる。 その直後だったね、珍光景が見れたのは。 「鳥~~!!」 ガリッ 「きょえーっ!?」 噛みついたよ、こいつ。 「はっはっは。どうだウチの猫子は!」 訳もわからず笑ってるよコイツ。 「メシ、食わせてやれよ」 僕はただそう言った。 「わたしは鳥じゃな~い!!」 ※神姫は女の子です、やさしくしましょう。 ~・~・~・~・~・~・~ 順番待ちのことである。 光一を見た奴らはしきりに『まるかじり』と言っていた。 ってマテコラ。 「何だ?、あんたが『まるかじり猫子』のマスターだって?」 「そうだが、……言ってなかったか?」 「言ってない言ってない」 マジかよ、初戦の相手がセンター内トップ5の二つ名持ちなんて……。 ついてないなオイ! しかもこちらは何の捻りもない装備だ。事前情報によれば相手も同じとはいえ、いかんせん経験が違いすぎる。 「勝機がある」と思うやつは手を挙げろ、代わってやるから。 「いきなり否定するのはよくないよ、形人」 ……まあ、そうだろうけども。 とか何とか思っていたら順番が回って来た。 もうどうにでもなれ。 ~・~・~・~・~・~・~ ステージはベーシックな市街地。 でも、ここで感じるデジタルと現実の入り混じった独特の雰囲気は感じが悪かった。 「……どこにいるかなぁ」 気のせいかデフォルト武装の着け心地が悪い、この間身体自体をカスタムしたからだろうか? 地面から十センチ(主観)浮きながらゆっくりとビルの谷間を進んでゆく。 と、突然ドリルを二つ並べたアタッチメントを両手につけたマオが飛び出してきた。 「ツインふぁいなるドリドリあたーっく!!」 「ちょっとまてぇぇっ!」 いきなり必殺技!? それまぎれもない失敗フラグーっ!? そこからの行動は早い。 地面を左足で蹴って後ずさる、できた空間を猛スピードでマオが通り過ぎてゆく。 そのまま向かい合わせだったビルに突込み姿を消す。 ドリルだからダメージはないハズ。 着地の際に鋭利なカカトが地面に擦れて火花を上げる。 『もらった!』 光一も叫ぶ、すぐ斜め後ろの壁を破ってマオがこちらに飛ぶ。 フェイント!? 「まるかじりすとらい~くっ!!」 口を大きく開け、牙をむき出しで飛んでくる。……なんだかカワイイ。 と考えると同時にエンジン全開、前方にダッシュしながら振り返りエウロスを振りかざす。 次の瞬間、ガチリという音と共にエウロスが噛みつかれ、亀裂が入ったと思った瞬間にまっぷたつに粉砕された。 冗談じゃないよ!? こんなのに噛まれたら一発で終わっちゃうって! どうするどうする? 「形人!何か策はないの!?」 『無い。諦めろ』 「ふざけるなぁぁぁぁぁ!!」 頭にきて思わずもう一つのエウロスを投げつけた。 とここで、信じられないほどの偶然が訪れた。 次の「まるかじりストライク」の構えを取ったマオの口に、エウロスが切先から飛び込んだのだ。 デカイ口、だがそれが仇となったわけ。 もちろん、頭へのダメージは致死級であって…… [Win. 輝] そのジャッジが下された時、思わず呆れかえっちゃうよね。普通。 ~・~・~・~・~・~・~ うそ!? 僕はその結果に呆然とした。いや、当たり前だろ普通。 「勝っちゃった」 呆れながら筐体から出てくるヒカル。今の感想を正直に言っちゃうと 「ありえねぇ……!」 ふと向側を見ると、光一は真っ白な灰と化していた。 そりゃそうだ、こんな事予想外でしかないからな。 「……帰ろう」 「そうだね……」 帰る事にした。 正直このままここにいるのは居た堪れない。 ~・~・~・~・~・~・~ 「ほう、君が初心者に?」 「正直驚きました」 メンテナンスショップのカウンターにて、長瀬は光一の話を聞いていた。 ベテランが初心者に敗北する、と言うことはまれであるからだ。 「そういえば光一君、君は知ってるかい?」 「何をですか」 「聖憐君もこのようなパターンだったって事」 「そうなんですか」 以下、読者側にとっては間の持たない会話が繰り広げられるので、今回はここで終わりとする。 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ
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朝方の騒ぎも一段落し、浩子サンは渡した原稿持って出版社へ戻った。 にゃー供は浩子サンが連れて行った。なんでも校正だの添削だの、下手なバイト使うよりも優秀なんだそうだ。 …その内バイト代請求しちゃろか。 パットは二度寝。 …食うか寝てるか迷ってるかしかしとらんなあいつは。 神姫ショップをやってる友人曰く、まともに戦えばそこそこのランク狙えるそうだが本当かね? ジュリの手により砲台型神姫からラーメン型神姫に簡易改造されたアイリは、おそらく洗面所で顔の落書きを落としていると思われる。 …油性っぽかったからなー。落ちるのかアレ。 そのジュリはと言えば…どうしたのかやたら静かだ。 さっきアイリにぶっとばされたからその辺で伸びてるのか。 まぁなんだかんだで意味も無く頑丈だし、問題はないだろう。 そして俺はと言えば、なんとなく目が冴えてしまい、以前友人に貰ったビデオを観ている。 数年前の、神姫バトルセカンドリーグの決勝戦の記録映像。 そこには鬣をなびかせたアイツが。 『ジュリ』になる前のとあるサムライが、トロフィーを掲げて誇らしげに笑っていた。 「……そういやアイツ。最近ようやくこんな風に笑うようになったよな……」 それはほんの1年前。その頃を思い出しながら、俺は微睡みの中に落ちていった。 --- 今でも覚えている。 そいつを最初に見たのは、夕日に染まる河原だった。 夕日をバックに、ライオンの鬣みたいな髪をした女サムライが素振りをしている。 ソレが身長15センチほどの人形だと気付くのに若干の時間を要した。それ程の存在感があった。 紅い光に照らされた小さなサムライは、陳腐な表現だが、俺の目にはとても美しく、眩しく見えた。 ……そん時のことは誰にも言ってない。つか、恥ずかしくて言えません。 そんでまぁ、しばらくぼーっと飽きもせず眺めていると、ふと妙なことに気付いた。 (下手糞だな) そう。最初の内こそ気迫に圧倒されて気付かなかったが、下手なのだ。 チャンバラと言えば、精々時代劇くらいしか知らない素人の俺が見て解るほど。 なんというか「ただ棒を振っているだけ」というか、やる気の無い剣道部員が惰性で竹刀振ってるような。そんな感じで。 だというのに、当人の顔は真剣そのもの。よくよく思い返しても珍妙な光景ではあった。 一時間ほど見ていても変化がなかったので、見かねて声を掛けたところ…… 「うるせぇなぁギャラリーなら黙って見てろ。軽そうな頭カチ割るぞ三下。」 ……まぁ、第一印象は壊滅的に悪かったな。 --- その日の夜、原稿回収を口実に飯を食いに来た浩子サンに聞いたところ、そいつは『武装神姫』の侍型なのだと教えてもらった。 …高校の頃の友人がショップを始めたとか手紙で連絡してきたっけな。そういえば。 「……んで、その『ぶそーしんき』っつーのは、そのなんだ、肩に乗ってるグロちっこいのの仲間か?」 「そーよー。可愛いでしょ?」 んふふー♪とか笑いながら、ツギハギだらけの青白い人形に頬擦りをする浩子サン。 その不健康な肌の人形も、くすぐったそうに頬擦りを返していた。 …あとで聞いた話だが、そん時浩子サンが連れていたのは一部で『幻の神姫』と呼ばれたゾンビ型。 ビジュアル面で恐ろしく一般受けしなかったために、最初期の流通分を除いて再販されなかったとかなんとか。 嘘か本当か知らんが、一部の好事家には垂涎の的らしい。 「ほーらモモコ。ご挨拶♪」 『モモコ』と呼ばれたゾンビ型神姫は、サイケに塗り分けられた頭を小刻みに揺らしつつ、カカカカカ…とアメリカンクラッカーでも鳴らしてるような音を立てた。 ……それが笑っているのだと気付くのに数分かかった。 「……か、可愛い、か……?」 …正直、俺にはよく解らなかった。 --- それから数日。夕方になると、俺は川原で下手糞な素振りを繰り返すサムライをぼーっと眺めるのが日課になっていた。 サムライの方もこちらに気付いているようで、しかし、特に話しかけてくることもなかった。 --- 「なぁ浩子サン、神姫ってのは電池かなんかで動いてんのか?」 「ん?うん。詳しいところは私もよく知らないんだけどね。ちょっと充電しなくてもケータイくらいはもつよ。」 …とすると、どっかで充電とかしてんのかな。あいつ。 「……ねぇ慎くん、その子さぁ、マスターとかそばにいなかった?」 「マスター?…所有者ってこと?……そういやそれっぽいのは見たことねぇなぁ。日が暮れたらさっさとどっか消えちまうし。」 「うーん…そっか…あのね?」 浩子サンが言うには、マスターのいない野良神姫ってのも意外に多く、所謂野良動物みたくロクな目に遭わんのだとか。 「…明日あたり聞いてみるか」 --- 更に翌日。 その日のサムライはたまたま休憩しているのか、小さな石に座っていた。 俺もちょっと離れたところに座る。 しばらくぼんやりと眺めていたが、動く気配がないので話しかけてみた。 「なぁサムライ、今日は素振りしねぇのかよ」 「ノらねぇ」 見事なまでに一刀両断。 結局彼女はなんもしないで消えていったので、俺もそのまま帰った。 しかし、それからはちょくちょく会話するようになった。 実は向こうもキッカケを待っていたのかも知れん…てのは自意識過剰なんだろうか。 …実際大したことは話していない。その日の天気とか何食ったかとかどこに行ったとか、そんなことだ。 あとは黙って夕日を眺めたりとかな。 傍から見ればロボット人形相手に世間話ってのも異様な光景だと思うが、不思議と俺自身は変に感じなかった。 多分、対等に話せる相手があんまいなかったってのもあるんだろう。 俺はあえてサムライのことは聞かなかったし、彼女も特に俺のことを聞かなかった。 互いの呼び方にしてもそうだ。 「…しっかし手前ぇ毎日毎日来やがって。そんなヒマあんなら働けよおっさん。」 彼女は俺を『おっさん』と呼び、俺は俺で『サムライ』と呼ぶ。 何故だか解らんが、お互い名乗りもしなかった。 「あんなぁ…ちったぁ息抜きくらいさせろよ。日がな一日埋まらねぇ原稿用紙とにらめっこしてんだこっちは。たまに外出ねぇとマジで腐っちまわ」 ここでサムライは、驚いたようにこっちを見た。 お、意外に可愛い…ってなに言ってんだ俺。 「おっさんアレか。物書きか。」 「まぁそうだ。大して売れてねぇけどな。」 「ふぅン…」 そして、また二人でぼーっと夕日を眺める。 しばらくして、サムライが言った。 「……実はアタシのマスターも元は物書きでな。時代小説とか好きな人だったよ。」 「……そーかい。」 ここで俺は、一瞬迷った。本当に迷った。 聞くべきか聞かざるべきか。 でもな。それでもやっぱり…… 「なぁ……前から気になってたんだけどな。」 「ん?」 「……お前さんのマスターとやらはどうしたんだ。」 サムライが息を呑んだ…ように思えた。 ……そして沈黙。 いいかげん静寂に耐えられず冗談だと言おうとしたら。 サムライが音もなく倒れていた。 SIDE-Bへ
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MMS戦記 外伝「敗北の代価」 「敗北の代価 11」 注意 ここから下は年齢制限のある話です。陵辱的な描写やダークな描写があります。 未成年の方は閲覧をご遠慮下さい。 □ 重邀撃戦闘機型MMS「リカルダ」 SSSランク 二つ名「ミョルニル」 オーナー名「春日 凪」♀ 20歳 職業 神姫マスター 真っ赤に燃え滾るヒートナギナタを振り回し,戦国時代の武将のように名乗りをあげるリカルダに対峙する神姫たちは、ぽかんを口を開けて呆然と立ち尽くす。 オーナー1「な、なんだァ!?あいつ!」 砲台型C「あれがSSS級の化け物神姫、リカルダか」 悪魔型「び、びびるな!!!敵は一騎だァ!!!」 一瞬、神姫たちに動揺が走ったが、すぐさま体制を建て直し、リカルダを取り囲むようにじりじりと移動する。 春日はバトルロンドの筐体に備え付けられているタッチパネルを操作し、状況を把握する。 春日「残り、88機!敵は3つの集団に分かれている」 春日はマーカーで3つのくくりを作る。 春日「まずは集団A、陸戦タイプの神姫を中心とした大集団、数は50、どうせこちらの速度にまともについていけない、適当につぶしておけ」 リカルダ「イエス」 春日「次に集団B!!空戦タイプの神姫を中心だな、数は1ダース(12機)、機種はアーンヴァル、エウクランテ、アスカが多いな・・・まずはこいつらから血祭りにあげろ、皆殺しだ!」 リカルダ「OK」 春日「最後に集団C・・・砲戦タイプの神姫ばかりだな!数は20、機種は戦艦型4隻、戦車型6両、砲台型10台!鈍亀ばかりだ、うまく誘導して同士撃ちにさせろ」 リカルダ「了解」 春日はバンっと筐体を叩く。 春日「見敵必殺(サーチアンドデストロイ)!!!見敵必殺だ!!立ちはだかるすべての障害を排除しろ!」 リカルダ「Sir,Yes sir MyMasterrrrrrrr」 ヒュイイイイイイイイイイイイイイイ リカルダのリアパーツに装備されている巨大な素粒子エンジンが緑色に輝く粒子を撒き散らし唸り声を上げる。 巡洋戦艦型A「奴を倒せば兜首だ!賞金を手に入れて富と名声を手に入れろ!」 装甲戦艦型A「支援射撃を開始する!全神姫突撃突撃ィ!!」 数隻の戦艦型神姫が主砲をリカルダに向けて発砲するのを皮切りに再び神姫たちが吼えるように声を上げて、武装を手に掲げてドッと津波のように襲いかかる。 神姫「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」 リカルダはまったく臆することなく、巨大な素粒子エンジンを全開に吹かして真正面から突撃を仕掛ける。 リカルダ「あは、あはっはは!!この程度の数の神姫でこの俺を倒せるとでも?笑わせるッ!!!」 轟とエンジンを轟かせてリカルダは燃え盛るナギナタを引っ掴んで迎え撃つ。 砂漠を砂埃を立ち上げて、真っ先に攻撃を仕掛けてきたのは、ハイスピードトライク型 アーク、ハイマニューバトライク型 イーダ、モトレーサー型 エストリル、クルーザー型 ジルリバーズのバイク使いの4神姫だった。 バイク使いの4神姫はリカルダの姿を認めると、ばっと散開し一斉に手持ちのマシンガンやキャノン砲、ハンドガンで射撃を開始する。 リカルダ「遅い遅すぎるぜ、それで速く動いているつもりか?」 リカルダは地面スレスレをホバリングするように砂山や岩を盾に攻撃を回避し、ズンと地面を強く踏みしめると、同時に地面に巨大な亀裂と穴が穿つ。 パンッと空気が爆ぜる音がしたと同時に、ハイスピードトライク型 アークの紅の武装が異常な形にくにゃっと歪みバラバラに分解されて吹き飛んだ。 □ ハイスピードトライク型 撃破 真横を走っていたクルーザー型のジルリバーズの目が見開かれる。 ジルリバーズ「なっ・・・」 ぐしゃぐしゃに潰れたトライク型の後から破壊音が衝撃波となって届く。 ドギャアアアアアアアアアン!! チカチカと何かが光ったと思った瞬間、モトレーサー型 エストリルの薄いピンク色の体が黄色い閃光に飲み込まれて爆散する。 □ モトレーサー型 撃破 ジルリバーズ「あ、あああ・・・」 彼女の眼前で瞬く間に僚機が沈む。 あまりにも速い、度外れた速さ、圧倒的な凄まじい破壊の力に彼女は驚愕し見届けることしか出来ない。前方でハイマニューバトライク型イーダが変形を解除し、大剣を構えて対抗しようと、リカルダに攻撃を仕掛けようとするが・・・ 次の瞬間、ジルリバーズの横を薄緑色の塊が軽々と宙を舞いすぐ脇を通りぬけていく。 風が唸る。 ゴキン 鈍い金属音が聞こえる。その音の正体を最初は理解できなかったが、崩れ落ちるバラバラになった自分の体がジルリバーズの視界に移ると意味を理解した。 ジルリバーズ「は・・・はや・・・速すぎる」 □ クルーザー型 ジルリバーズ 撃破 ズドンズドンズドン!! 戦艦型神姫の砲弾がリカルダの周囲に着弾するが、リカルダはまったく意に介さず無視する。 リカルダ「おいおい、なんだ?その動きは舐めているのか?あああん?的撃ちじゃねーんだぞッォ!!!!!」 リカルダは顔を歪ませて新たな敵に向かって突進する。 音速を超え、超高速の剣戟に、対峙する神姫たちはまったく捕捉しきれなかった。 悪魔型「うおおおおおおおおおお!!」 巨大な刀を携えた悪魔型が雄叫びを上げて強化アームを振りかざし突撃するが、リカルダは悪魔型が刀を振るう前に胸部を突き殺す。 □ 悪魔型 ストラーフMk-2 撃破 間髪いれずに今度は巨大なハンマーを携えた白い悪魔型とソードを構えた黒い悪魔型が躍り出るが、リカルダは副腕のレールキャノンをくるんと廻して、胸部を正確に撃ちぬく。 □ 悪魔型 ストラーフ・ビス 撃破 □ 悪魔型 ストラーフ 撃破 脇を小柄な2体の神姫が槍と剣を携えて飛び出してきたが、リカルダは2体まとめて燃え盛る紅蓮の炎を纏ったヒートナギナタで文字通り薙ぎ払った。 □ 夢魔型 ヴァローナ 撃破 □ 剣士型 オールベルン 撃破 樹脂の溶ける焦げ臭い不快な匂いを撒き散らして四散する2体の神姫。 リカルダの強烈な攻撃の様子はさながら嵐のようであった、音よりも速いリカルダの攻撃は空気を引き裂き、爆ぜ、対峙する全てのものを打ち砕く。 次々に撃破のテロップが流れる。 まるで音楽を奏でるかのようにリカルダは縦横無尽に戦場を駆け回り、刈り取るように神姫を撃破していく。 □ 犬型 ハウリン 撃破 □ 猫型 マオチャオ 撃破 □ リス型 ポモック 撃破 □ フェレット型 パーティオ 撃破 □ ウサギ型 ヴァッフェバニー 撃破 □ 騎士型 サイフォス 撃破 □ 侍型 紅緒 撃破 □ 花型 ジルダリア 撃破 □ 種型 ジュビジー 撃破 □ サソリ型 グラフィオス 撃破 春日「30、31・・・」 春日はにやにやしながら腕を組んで数を数える。 怯えた白鳥型が大剣を盾に悲鳴をあげて後ずさるが、リカルダは大剣をガードの上から叩き割った。 ズン・・・ 真っ二つに引き裂かれた白鳥型の表情には驚愕の念が浮かんでいた。 彼女は決して弱い部類の神姫ではなかった。数多の戦場を先陣切って誉高く駆け、敵を討ち取ってきた武装神姫である。 だが、違う。 こいつは違う。 一刀両断されて始めて違いに気がついた。 こいつは普通じゃない。 白鳥型「ば・・・化け物め・・・」 □ 白鳥型 キュクノス 撃破 春日「32!!総数の3分の1を殲滅した、残り68!さっさと片付けるぞ」 春日は筐体の画面を操作して状況を把握する。 リカルダ「だめだ、弱すぎる・・・お話にならない」 参加していた神姫のオーナーたちはたった数分間で100体いた神姫の3分の1が潰滅した事実にただ言葉も無く息を呑む。 いま眼前で繰り広げられた戦い、リカルダの桁ハズレの強さ。 次々となすすべもなく撃破されていった仲間たちを見て陸戦主体の残った神姫たちは完全に戦意を喪失して、武装を放り出して逃げ始めた。 カブト型「だ、だめだァ!!こんなの勝ってこないよ!」 クワガタ型「ひ、ひィいいい」 ヤマネコ型「やってられるかよ!!!」 がしゃがしゃと手持ちの武器を捨てて逃げようとした瞬間、後方からチカチカと青白い光が瞬く。 建機型「!?」 ドッガアズガズッガアアン!! 装甲戦艦型A「撃て撃て!!撃ちまくれェ!!」 巡洋戦艦型A「逃げる奴は敗北主義者だ!!!敵もろとも攻撃しろ!!!」 重装甲戦艦型A「奴を倒せば1億円なんだぞ!!断じて引くな!!後退は認めん!!」 数隻の戦艦型神姫が味方もろとも無差別に砲撃を始め、瞬く間にフィールド内は阿鼻叫喚の地獄絵図に変わった。 ドンドンッドオドドン!!ズンズウウン・・・・ カブト型「ぎゃあああああああ!!」 虎型「ウワァ!!」 丑型「いやああああああああああ!!撃たないで撃たないでェ!!!!!」 猛烈な艦砲射撃がリカルダと周囲にいる神姫たちを巻き込んで行なわれる。 戦艦型の取り巻きの戦車型、砲台型も味方を撃つことに戸惑っていたが、手段を選んでいる場合ではないと悟ったのか、一緒になって見方もろとも攻撃を始めた。 □ 建機型 グラップラップ 撃破 □ 虎型 ティグリース 撃破 □ 丑型 ウィトゥルース 撃破 □ ヘルハウンド型 ガブリーヌ 撃破 □ 九尾の狐型 蓮華 撃破 次々とフレンドリーファイヤーの表示が出ながら撃破のテロップが踊る。 瞬時に周りは地獄と化した。その光景は凄惨そのものだった。目の前で多くの神姫たちが生きたまま焼かれ、重症を負い、そして粉々に砕かれて宙を舞った。 ズンズンズン・・・・ ものすごい爆煙と砂埃で砲撃地点は黒茶色の巨大なキノコ雲が立ち上り、ボンボンと神姫が爆発する音と赤い炎が巻き起こる。 上空を数十機の航空MMSが心痛な面持ちで眺めていた。 天使型「下は地獄ですね」 セイレーン型「うわあァ・・・」 ワシ型「イカレ野郎もろとも吹っ飛ばしてしまえ!!」 ワシ型が手を掲げてファックサインをする。 ドッギュウウウム!! 戦闘機型「おぐ・・」 戦闘機型の胸部を黄色い閃光が貫き、爆発する。 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 爆煙と砂埃の中から勢いよくリカルダが飛び出し、真っ赤に燃え盛るヒートナギナタでワシ型MMSを一刀両断で切り捨てる。 □ ワシ型 ラプティアス 撃破 リカルダ「コイツァ最高だぜ、ふ・・・恥も外聞もなく味方もろとも攻撃してくるとはなァ・・・」 リカルダは笑いながら次々と航空MMSをハエのように叩き落としていく。 □ コウモリ型 ウェスペリオー 撃破 □ 戦乙女型 アルトレーネ 撃破 天使型「このおおおおおおおおおおおお!!」 天使型の一機が、上空からライトセイバーを構えて突撃してくるが、 リカルダは最小限の動きで回避し後ろを取る。 リカルダ「はずしやがったな!まだまだガキの間合いなんだよ!」 天使型「そ、そんな!!うわああああ!!」 ズッドン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 天使型の頭部を跳ね飛ばした次の瞬間、リカルダを含む周囲の航空MMSたちにむけて葉激しい強力なレーザー砲の一斉射撃が加えられる。 ビシュビシュウウビッシュウウウウン リカルダ「おわっ!!」 あわててリカルダが回避する。 ズンズンズン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 □ 天使型 アーンヴァル・トランシェ 撃破 □ 天使型 アーンヴァルMk-2 撃破 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 リカルダの回りを飛んでいた航空MMSを強力なレーザーが貫き、空中に炎 出来た光球を作る。 重装甲戦艦型「ヘタクソォ!!貴様らどこを狙っている!!」 巡洋戦艦型A「ウルセェ!てめえが撃てっていうから撃ったんだろがァ!!!」 装甲戦艦型A「畜生畜生!!」 装甲戦艦型B「ひゃっはああーーー!!!もうだめだァ!!」 巡洋戦艦型B「なにをしている攻撃の手を休めるな!!!」 またしても後方にいる戦艦型神姫の一群が味方もろとも巻き込むのも承知の上で砲撃を加えてきたのである。 1度ならず2度までも、味方を巻き込む非道な攻撃を行い続ける神姫たちに観客たちはブーイングを鳴らす。 観客1「お前らさっきからナニやってんだよ」 観客2「このクズヤロウ!!さっさとしとめろ!」 観客3「誤爆誤射ばっかりやんてんじゃねーんだぞ!!このダボォ!!」 観客4「こいつらさっきから味方撃ちしかしてねえーーーーー」 観客5「なにがしてーんだよ!!このクソヤロウ!!」 グラスやゴミをフィールドにいる戦艦型に向かって投げつける観客たち。 オーナー1「うるさい!野次馬ァ!!」 オーナー2「黙れ黙れ!」 オーナー3「どーしようが俺たちの勝手だろ!」 オーナー4「戦いに誤射誤爆はつきものだろが・・・ボケが!」 オーナー5「装甲戦艦!!副砲撃て!!!あの野次馬連中を黙らせろ!!」 装甲戦艦型B「了解、モクヒョウ カンキャクセキ 撃ちかたーーーーーーーーーはじめ!!」 あろうことか、戦艦型神姫のうちの一隻が観客席に向かって副砲で発砲しはじめたのである。 ズンズンズズン!! 観客1「うわあああああああ!!撃ってきたぞ!!」 観客2「キャアアアアアアアアア!」 観客席の2階の中央のテーブルに砲弾が命中し、料理が爆発して飛び散る。 ドガアアアン!! 2階の観客席で春日たちの戦いを観戦していた神代の顔にべちゃっりとケーキのクリームが降りかかる。 脇に立っていたルカが悲鳴をあげる。 ルカ「きゃああ!!マスター大丈夫ですか!!」 神代が顔に付いたクリームを手で拭き取り舌でぺろっと舐めて片つける。 神代「大丈夫だ、問題ない」 バトルも観客席も戦艦型神姫の無差別な艦砲射撃で大混乱になる。 司会者の東條があわててマイクで放送を行なう。 「観客の皆さんはフィールド上の神姫にモノを投げないでください!!フィールド上の神姫は観客の皆さんに攻撃しないでください!!危険です」 フィールドにいる戦艦型が反論の激を飛ばす。 巡洋戦艦型A「最初に攻撃してきたのはアイツラだろ!!これは正当な反撃行為!自衛のための防衛行動だ!!」 装甲戦艦型B「戦艦に喧嘩売るとは上等じゃねえか!!ぶっ殺すぞ!!!!」 観客3「こいつらなんとかしろよ!!」 観客4「危ない!!危ない!!危ないよ!!」 観客5「おまえらは一体誰と戦ってんだ!!このボケカス!!」 春日はアッハハハと大声を上げてパンパンと手を叩いて喜ぶ。 春日「すばらしいこれこそ混乱だ!!戦場に混乱はつきもの!!最高じゃないか!!」 リカルダ「さあて・・・と残りはC集団のみ、ちゃっちゃと終わらせてやろう」 リカルダはヒュヒュンとナギナタを振り回し、突撃する用意に移る。 戦艦型神姫の一群と戦車型、砲台型が多種多様な砲口をリカルダに向ける。 戦車型A「パンツァー1より全パンツァーへ、敵は高速戦闘に特化した航空MMSだ、対空榴弾装填!!穴だらけにしてやれ」 戦車型B「パンツァー2了解」 戦車型C「パンツァー3了解」 戦車型D「パンツァー4了解」 砲台型A「砲撃モードに移行!焦るなゆっくり狙って確実に当てろ!」 砲台型B「畜生!ブチ落としてやる」 砲台型C[負けネーゾ] 重装甲戦艦型「全艦、全砲門開けェ!!火力で磨り潰せッ!!!!」 巡洋戦艦型A「火力とパワーはこちらの方が上だ」 装甲戦艦型A「一億円は俺のものだ」 巡洋戦艦型B「くそったれ、やってやる」 装甲戦艦型B「蜂の巣にしてやる」 ギラギラと目を光らせる大砲を主兵装備とする武装神姫たち 。 戦艦型神姫は巨大な体に据付けられた主砲をゴリゴリと動かす。一撃でも命中すれば神姫を粉々に粉砕できる強力なレーザー砲を搭載し、全身に対空機関砲とミサイルを装備している。単純な火力だけでは戦艦型神姫は最強クラスの戦闘能力を有する。また分厚い装甲に守られ、撃破するのは非常に困難だ。 戦車型神姫は戦艦型とはいかないまでも、強力な戦車砲とそれなりの厚い装甲を備えている。また何台かの同型の戦車型とコンビを組んで安定している。 砲台型もがっしりと地面に腰を下ろし、砲撃モードに移行し、優秀なFCSによって高い命中率と速射性能を有した滑空砲を搭載し待ち構える。 大型の戦艦型神姫、中型の戦車型、小型の砲台型のバランスの取れた鉄壁の布陣で、リカルダを待ち構える20機あまりの重武装の神姫たち。 リカルダとは対照的に、機動性を完全に最初から捨てて、がっしりと待ち構える神姫たちに隙はなかった。 こいつらは、味方ですら遠慮なく攻撃する下種だ。だが、その分勝つことには躊躇せず破壊的なオーラを纏っていた。 間違いなく強敵、そう感じ取った春日は内心、ほくそ笑んでいたが、命令を下す。 春日「大砲屋風情が調子に乗るなよ・・・リカルダ!!遠慮はいらん!!攻撃しろ!」 リカルダ「イエス、イエスマイマスター」 ぐっと身を固めるリカルダ。 さっきまで野次を飛ばして騒いでいた観客たちも一斉に押し黙る。 そしてひそひそと話し声がもれる。 観客1「まさか本当にあの砲火の前に突っ込むんじゃないよな?」 観客2「ありえんだろ?あの完璧な布陣になんの策もなしに突っ込むのは自殺行為だ」 観客3「あの陣形は点や線の攻撃なんて生温いものじゃない、面での攻撃だ」 観客4「面制圧か・・・この猛砲撃を掻い潜って奴らを殲滅できるとしたら、文字通り化け物だ・・・そんな神姫がいるのか?」 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>[[]] 前に戻る>「敗北の代価 10」 トップページに戻る
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各種設定集 ~神姫編~ -主人公側- ヴェル(犬型素体) 主人公、岡島士郎の所有する一体目の神姫。 名前の由来は、イタリア語の「緑色」から。 性格は気だてのいいお姉さんタイプで、他の神姫のまとめ役である。また士郎に対する愛情も 人一倍であり、美人を見て鼻の下を伸ばす士郎に嫉妬する事も多い。 一番長く神姫バトルの世界に居るので、戦闘経験は一番豊富。また、過去に「ルシフェル」と呼ばれ ていたノワル、「ミカエル」と呼ばれていたビアンカと戦い、いずれも撃破している。 ノワル(悪魔型素体) 士郎の二体目の神姫。 名前の由来は、イタリア語の「黒」から。 元々は鶴畑興紀の所有している「ルシフェル」の名を冠する13番目のMMSであったが、三年前の ヴェルとの試合に於いて敗北を喫し、廃棄処分にされる所を士郎に引き取られる。 「ボク」の一人称で話すノー天気な性格だが、感情が負の方向に高ぶると元の 冷たい口調が出る事がある。 元々、興紀の元で徹底された訓練を積んでいたため、バトルにおいてはかなりの実力を誇る。 ジャロ(ネコ型素体) 士郎の三体目の神姫。 名前の由来は、イタリア語の「黄色」から。 性格は天然気質のお気楽キャラだが、リアルリーグで馴らしたバトルの腕は確かである。 好物はシュークリーム。 マタタビ酒を飲むと、性格が清楚な箱入り娘キャラと化す。 -使役ユニット プチマスィーンズ- ネコ型MMS「マオチャオ」に付属する使役型ユニット。ジャロのマスィーンズにはそれぞれ性格が 設定されている。通常は使役しづらくなるので付けないオーナーが大多数だが、ジャロの「つまんないのだ」 の一言により士郎が付与する事に。 シロにゃん:エセ関西弁の守銭奴キャラ クロにゃん:軍人気質の堅物キャラ ボクにゃん:真面目な優等生キャラ オレにゃん:荒っぽいガキ大将キャラ ヒメにゃん:おっとりお嬢様キャラ コニー(兎型素体) 士郎の四体目の神姫。 名前の由来は、イタリア語の「兎」から。 元々、武装パーツに付いていた頭部ユニットだったので、士郎の経済状況から、なかなかボディを 貰えず、使役ユニットであるプチマスィーンスetc...に馬鹿にされる事が多々あり、一時は ひねくれた性格だったが、藤堂亮輔の所有するリンとのバトルで吹っ切れる事が出来た。 しかし、そのバトルの際に付けられた「乱射魔(トリガーハッピー)」の二つ名で呼ばれることを極端に 嫌っている。 現在は、崇拝する「BL○CK L○GOON」のレ○ィの口調&性格etc...を真似ていて、いつかは 「二丁拳銃(トゥーハンド)」の二つ名で呼ばれる事を夢見ている。 現在、セカンドクラスで戦っており、実はバトルにおいては5人の中では一番未熟だったりする。 好物はニンニク煎餅。 ビアンカ(天使型素体) 士郎の五体目とされる一番新しい神姫。 名前の由来は、イタリア語の「白」から。 元々は鶴畑大紀の所有する神姫「ミカエル」の№1であったが、ノワル同様ヴェルとの試合に於いて 敗北を喫し、廃棄処分にされる所を士郎に引き取られる。 ノワルと違うのは、修復の際、全ての記憶をリセットしている所であり、以前の大紀と居た記憶は無い。 なお、第11話の際に、士郎の妹である優衣に半ば強引に実家に連れて行かれ、現在優衣が新たな マスターとなっている。 性格は非常に素直な優等生タイプ。 まだデビュー前ではあるが、鶴畑家の訓練を受けているために、戦闘スキルはかなり高い (ハズである)。 -鶴畑兄妹- ルシフェル(悪魔型素体) 鶴畑興紀の所有する神姫。 名前の由来は、キリスト教における「サタン」の別称「ルシフェル」より。 究極の神姫を育て上げることを信条とする興紀の考えに則り、興紀自身の立てた戦略や指示に付いて こられなくなった同型素体は、戦闘データを採取された後廃棄され、前回のデータを周到し、 改良された新たな別の素体である「ルシフェル」が誕生する。 そのため、興紀のデビューからの通算敗北数(非公式含む)である"30番目"に登録された 悪魔型MMSが現在の「ルシフェル」の名を冠している。 また、岡島士郎の所有する「ノワル」や陽元治虫の所有する「エル」は、"廃棄された"「ルシフェル」 シリーズの内の1体である。 興紀に絶対忠誠を誓う「機械」のような性格であり、「エル」の様な性格が設定されたのは極めて 稀である。 ミカエル(天使型素体) 鶴畑大紀の所有する神姫。 名前の由来は、キリスト教における四大天使の一人である「ミカエル」より。 戦闘能力に於いては、鶴畑家の訓練を受けているため、最高水準の能力を誇るが、如何せん マスターがアホなので付いていけていない。 また、大紀が興紀の真似をし、敗北を喫した同型素体は尽く廃棄されている。士郎の 「ビアンカ」はその中の一体である。 興紀の「ルシフェル」同様、大紀に絶対忠誠を誓う「機械」のような性格。 アラエル(天使型素体) (前スレ208氏の「アラエル」の頁を引用。) 鶴畑大紀が度重なる敗北の憂さ晴らしに、マスターの最寄のセカンドリーグセンターで 使用していたアーンヴァルタイプの神姫。 大量のケチャップをかけたようなゴテゴテ装備にやっと懲りたらしく、彼にしては ある種の洗練さが見て取れる。 素体が点に見えてしまうほど巨大な反重力翼をもち、翼の表面にはドールアイを 改良したセンサー兼大出力レーザービーム発振装置をいくつも備えている。レーザーの 照準追尾性能は特筆モノ。 レーザーのエネルギーが切れた後は目玉を排除、セカンダリウェポンの全方位ミサイルを 眼窩から生やして攻撃する。 さらにミサイルが尽きた後は眼窩がスピーカーに変形し、音響波に乗せて相手神姫コアの 量子運動を阻害させる「EMPバラージ」を放つ(実際の電磁波ではないもよう)。現在のところこの EMPバラージが最終装備。 三段がまえの強力武装で対戦相手を圧倒させるが、多数の武装を内蔵した翼は構造上 非常にもろく、一定以上の衝撃を与えただけで瓦解してしまうほど。 同様の理由で飛行タイプのくせに高速移動が出来ない。要するにただの大きな的であるが、 遠距離攻撃はレーザーやミサイルで絶対的に防がれ、弾薬やレーザーのエネルギーが 切れた後に接近してもEMPバラージが待っているため、彼の従来の神姫と比べて隙が殆ど無い。 あとは無駄撃ちを抑えさえすれば間違いなく最強クラスの神姫である。 ジャンヌ(騎士型素体) 鶴畑和美の所有する神姫。 名前の由来は、中世ヨーロッパの英雄「ジャンヌ・ダルク」から 本来、近接・突撃戦闘を信条とする騎士タイプだが、和美の美学から、中~遠距離を主体とした 実弾装備を多く持たされることが多い。 その姿は、さながら「難攻不落の要塞」である。 興紀の「ルシフェル」、大紀の「ルシフェル」他同様、和美に絶対忠誠を誓う「機械」のような性格。
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ちっちゃいもの研の日常-02 ここは東杜田の片隅にある、ちっちゃいもの研・・・。 「CTaさん、ちょっとお願いします。」 見慣れない顔の男が、CTaに設計図のチェックを依頼している。 「うーむ、よしよし。 これでいいんじゃないかな。」 「あ、ありがとうございます!」 ダメ出し28回目にして、ようやく通った模様。 彼の目の下には、はっきり とした隈がうかんでいる。 ちょっと足もおぼつかない様子。 「・・・あのなぁ、いくら若いと言っても無理をしちゃいかんぞ。 あとで 言っておくから、先帰って寝ろや。」 彼は今年配属になった新人。なんでも、久遠のツテで本社へ入社したとかで、 当初からバリバリ仕事をこなし、ついには腕を買われてちっちゃいもの研へ 配属になったという経緯がある。 「はぁ、ありがとうございます。ですが、ちょっと私用で機材を使いたいの で、昼まではいることにします。」 というと、ちょっと頭を下げて自分の作業台へと戻った。 「ん〜? 何を作っているのかな〜?」 こそこそと隠れるように作業をする彼の元へ、CTaが行ってみると・・・ 武装神姫。 にやり、意味深長な笑みを浮かべるCTa。 「ちょ、ちょっと・・・何ですか・・・って、えぇ?!」 「いいモン持ってるねぇ。」 「ボクのマーヤに触らないで下さい!」 慌てて、伸ばされたCTaの手から、マーヤと呼ばれた「ツガル」を守る。 「ほうほう、だいぶ疲れている感じじゃないか。」 「もう、ほっといてください! ・・・先週の対戦で、左膝負傷しちゃった からねー・・・ ようやく手が空いたから、今治してあげるよー。」 「やさしくしてくださいね、おにいさま。」 そのやり取りに、CTa暴走。 「ぐわあぁぁっ!! おにいさまと、おにいさまと呼ばせたな!」 「な、何ですかいきなり!!」 背後からの叫び声に、びっくりして作業する手を止める男。 「認定! ちっちゃいもの研の、神姫使いリストに強制編入!」 「ちょ、ちょっと、CTaさん・・・。」 「ときにお前、神姫のメンテナンスはできるか?」 「はぁ・・・よほどコアが傷ついていない限り、治せる自信はありますよ。」 「よっしゃ! 決まった! お前、あたしの下、ナンバー2決定!」 「何なんですか、いったい!」 と、男が叫んだとき。CTaの白衣のポケットから、沙羅とヴェルナが顔を覗 かせた。 その姿に、男は驚き、固まった。 ・・・CTaさんも、神姫使い だったのか?! ということは、もしかして・・・自分は久遠さんにもはめ られてしまった可能性も・・・?! 混乱する彼にCTaは追い討ちをかける。 「それだけの神姫に対する愛、そして裏付けられた技術。 おまえ、あたし の一番弟子決定だわ。」 「はぁ?」 「はーい、拒否権無ーし。 いやー、困ってたんだよー。 最近、神姫関連 の修理だの研究だの、依頼が多くて多くて。あたし一人じゃ手一杯でさ。」 「そういうことだったんですか。」 「ただーし! 神姫とかをいじる人間は、ここでは偽名を持たなくっちゃい けないんだな、これが。 そーすっと、あんたの場合は・・・ 本名がアレ だからぁ・・・ 『Mk-Z』でどうだ。 うん、これがいい。 決定ね。」 言うが否や、CTaは近場の端末を操作し、研究所の所内用名簿から彼の本名 を抹消し、「Mk-Z」と冗談抜きで入れてしまった。 「あ・・・。」 悲しそうな顔をする、Mk-Zと名付けられてしまった彼。 「大丈夫。こうすれば、あんたもこそこそすること無く、存分にマーヤへ愛 を注ぐことができるのさっ!! どうだっ!」 「どうだ、と言われましても・・・」 「なにぃ? 嬉しくないのか?」 「い、いえ、嬉しいんですけど、なんか納得いかない気がして・・・」 「あんたが納得いかなくても、あたしは納得したからいいよ。」 「そ、そんな〜!」 悲鳴を上げるMk-Z。と、彼の手元へ、沙羅とヴェルナがやってきた。 「どうもっス! 沙羅って言うっス! こっちはヴェルナって言うっス!」 「よろしくおねがいします〜。 そうそう、先ほど関節がっ、て言っておられ ましたよね。ここに、マスターが作った削りだしの強化関節がありますので、 ぜひお使いください。」 そういいながら、ヴェルナはリゼにも使われているあの強化関節パーツを一組 差し出した。 美しく、鈍い光沢を放つパーツに、目を奪われるMk-Z。 「せっかくだから使ってくれよ。 あたしの弟子になってくれた以上は、悪い ようにはしないよ。 もちろん、通常業務の上でも、ね。」 ・・・変なノリで、変なところに転がり込んでしまった気がしない訳でもない。 でも居心地は悪くなさそうだな・・・。 こういう仕事も、いいのか・・・な? Mk-Zは、自分の置かれた境遇が、じつはとても恵まれているのではないか、 と思い直し、CTaにちょっと感謝をしていた・・・。 それから一週間後。 「はい、あーん。」 「・・・おにーさまー、この塩鮭、美味しいですー!」 「おー、そうかそうか。 じゃ、こっちの唐揚げもあげよう。」 「えっ! いいんですか? それでは・・・いただきまーす!」 昼休み、マーヤに仕出し弁当を分け与えるMk-Zの姿が。さっそく、CTaによって、 マーヤにも食事機能が搭載されていた。・・・いや、むしろ彼が進んで食事機能 を搭載した、と言うべきか。と、 「Mk-Zよぉ。さっき知り合いから電話があってな。 バトルに負けた神姫を叩き 壊したアフォがいたらしくて。 その神姫を、これから連れてくるそうなんだが、 お前に任せてもいいか?」 本来の医療関係の仕事の資料を山と持ったCTaが、Mk-Zに声をかけた。Mk-Zの 目つきがかわった。 「なんですと? 負けた神姫を、叩き壊した・・・だって?」 弁当にいったん蓋をすると、マーヤに命じた。 「マーヤ、受け入れ態勢を整えるんだ。」 「わかりました、おにーさま!」 「人間に叩き壊されたとなると、相当の傷を負っているだろう・・・。 任せて ください師匠! 神姫ドクター・Mk-Zの名にかけて、ちっちゃい心、救います!」 マーヤと並んでぐっと拳を挙げたMk-Z。 にやりと笑みを浮かべ、それに答えるCTa・・・。 ここに、ちっちゃいもの研「最強」の、神姫ドクターコンビが誕生した。。。 <トップ へ戻る<
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8東京都Fバトル会場付近の神姫センターは普段とは段違いなまでの度数の熱気に満たされていた。真夏の甲子園を連想させる感情の嵐は通常の規格よりも巨大な筺体を中心として渦巻き観客達の様々な声が神姫バトル参加者に襲い掛かる。或る神姫の可愛らしさを褒め称える様な歓声、或る神姫の危機を救わんと叫ぶ悲鳴、或る神姫の卑劣を詰る様な怒号。一つの場所に人の密集度が高いと言うのはそれだけで重圧となり或る神姫プレイヤーは身体が竦み或る神姫プレイーは吐き気にも襲われていた。 魔物でも住んでいそうな文字通り阿鼻叫喚の異世界の中で黒野白太/イシュタルは普段通り、到って普段通り悪役を演じていた。参加者十五名の神姫バトルロワイアル、森林の多い山岳地帯の夜となれば森林に身を潜めて奇襲を狙うのは定石だろう。だが卑怯卑劣が売りの黒野白太/イシュタルは何故か今回のバトルに限って身を隠す事は無く悠々と散歩でもするようなノリで森林地帯を歩いていた。そんな事をすれば参加者の誰かに奇襲されるのは当然の事で、然しながら奇襲は失敗しそれから予定調和と言わんばかりに普通の戦闘になる。 武器を壊す『刃毀れ』の黒野白太/イシュタルへの奇襲に失敗したモブキャラは武器の破壊を怖れ出来る限り距離を取って攻撃する。そんなテンプレ的な対応策にテンプレ的な対応策の対応策として黒野白太/イシュタルは弾幕を?い潜り得意な近距離格闘(レンジ)で襲い掛かる。ストラーフMk2型とは思えない素早さで接近されたことに焦ったモブキャラは急いで小剣を取り出し振り下ろされた大剣を防御するが勢いだけは殺し切れず仮想空間の地面に叩きつけられ急いで起き上がろうとするも背中を踏まれ押し付けられる。 黒野白太/イシュタルは大剣を下向きにして持ちそのままの振り下ろしてモブキャラのリアパーツのみを破壊すると脇腹を蹴り飛ばした。敗北を覚悟した筈なのに壊されたリアパーツだけ、意味が分からないと言う視線に黒野白太/イシュタルはヘラヘラと笑って返す。 「何? どうしたの?」 神姫越しに見えそうな黒野白太の表情と神姫の声帯を借りて聞こえた黒野白太の声に言い様の無い不安を感じた。尻尾を巻いて逃げようと決めた時には既に遅くストラーフMk2型標準装備のリアパーツの副腕に掴まれて引き寄せられる。何とかもがいて副腕の呪縛を解くと同時に黒野白太/イシュタルは両手に持つ二本のナイフをモブキャラの神姫の素体に滑らせるように走らせる。 ほんの刹那に神姫の素体を一切傷付ける事無く胴体を守る装甲の留め具や接続部を破壊し崩れ落ちたパーツをこれ見よがしに踏み砕く。その神業的なナイフ捌きへの驚きよりも黒野白太/イシュタルの目的を知った事への恐怖がモブキャラの中で勝っていた。目の前の武装神姫は遊んでいる、何時でも倒せると言うのに敢えてそれをせず極限の精密動作性で装甲を壊す事を楽しんでいる。 「ほら、どうしたの? まだ武器はあるでしょ?」 副腕の拳がモブキャラのヘッドパーツに命中し大きくよろめいた所で黒野白太/イシュタルが目前にまで迫る。 小剣で斬りつけようとするが両掌を掴まれて動かせずそれならばと蹴りを放つが足が届く前に大きく跳躍したので悪足掻きの蹴りは空を切る。黒野白太/イシュタルは宙で身体の向きを反転させると副腕の掌でモブキャラの頭部を包むとリンゴでも潰すかのような勢いで握り潰す。 グシャァと何かが破裂した音と共にヘッドパーツの部品が副腕の掌からボロボロと零れ出るがモブキャラの敗北判定は出ない。副腕はヘッドパーツを握り潰して破壊しただけでありモブキャラには僅かなダメージも与えていない。それでも精神面は言い様が無くダメージを受け続けておりなまじその手に武器があった事が降参と言う最善の選択肢を引き留めていた。 「う、うァアアアアアアアッッッ!」 ホラー映画の犠牲者宜しく咆哮と銃声を奏でるモブキャラに黒野白太/イシュタルは回り込む。所詮ストラーフMk2型であり速度自体は大してないものの時には樹木に身を隠し時にはバク宙をしたりと獣の様な身軽さで翻弄する。段々と距離が縮められ弾丸を撃ち尽くしたモブキャラが急いで装填をし直すがその瞬間を見計らって飛び掛かる。飛び掛かられ押し倒すと副腕でモブキャラの抵抗を抑えつけながらもスカートに手を掛けたかと思えば力付くで引き剥がした。 バトルステージの外、筺体を円形に囲む観客席から男性と卑しい歓声と女性の痛々しい悲鳴の合唱が聞こえて来る。 さて次はアームパーツだと立ち上がって意気揚々とナイフを手に取った黒野白太/イシュタルに人の目がある副審のマシンが警告を届けてきた。曰く装甲の破壊は確かにルール違反ではないが観客にも対戦相手にも気分を害させるので中止するようにと。 何となくモブキャラを見ればモブキャラは仰向けに倒れたままの状態で左手の甲で目を隠しており頬には涙が流れている。どうやら余りにショッキングな出来事にマスターと神姫共に戦意を喪失して泣き出してしまったらしい。もう少し壊したかったのが黒野白太の本音だが当初の目的は果たせたので良しとしイシュタルにモブキャラの首を素体の腕で刺し貫かせた。二度目のグシャァと何かが破裂した音の跡には何も残らず黒野白太/イシュタルは再び悠々と歩き始めた。 『もうこんなのは二度と御免だ。』 『いや、御免ね。でも、こうするしか無かったしさ。』 『二度と「こうするしか無かった。」等とふざけた事を口にするな。』 『分かったよ。でも、僕は悪くない。』 黒野白太の命令とは言え強姦魔のような事をしてしまったストラーフ型Mk2神姫イシュタルは目に見えて激怒している。原因も理由も分かっているが黒野白太としてはイシュタルには元の冷静さを取り戻して欲しかった。恐らく次に戦う事になる相手は今のモブキャラとは異なり一切の雑念を抜いて本気で戦っても尚その剣が届くかどうかすらも危い相手なのだから。内心その時をまだかまだかと子供のように待ち侘びる黒野白太はイシュタルを宥めつつも聴覚を研ぎ澄ませる。周辺は不気味なまでの静寂を醸し出しておりバトルロワイアルだと言うのに別の参加者達が争い合うよう戦闘音も聞こえない。黒野白太の目論見は成功している、後はそれが何時来るかだが――――――来た、観客席の誰か(恐らく男性)が彼女の名前を呼んだ。 彼女の名前を呼ぶ者は一人から二人に、二人から四人に、ミジンコの単体生殖の様に分裂し増殖し神姫センターを彼女の名前で埋め尽くす。彼女とは一体誰か、決まっている、悪の怪人が現れた時に人々が名前を呼ぶのは正義の味方であると決まっている。 「竹姫!」「女帝!」「TAKEHIME!」「葉月御姉様ぁ!」「竹姫葉月!」 渾名『女帝』―――竹姫葉月、神姫バトルの本場である日本の頂点、世界で一番強い神姫プレイヤー。 今日この日神姫センターが普段よりも異常な盛り上がりを見せている原因の八割近くが竹姫葉月の参戦によるものである。黒野白太の目的は竹姫葉月とタイマンで戦う事でありその為に自転車を三時間漕いでまで今回の神姫バトルロワイヤルに参加したのだ。悪名高い『刃毀れ』黒野白太が残虐非道な神姫バトルをすればそれを目にした観客が望むのは『一番強い』竹姫葉月による正義の鉄槌だろうから。 全ては黒野白太の思い通りに物事が進んでいる、事実、他の参加者は黒野白太/イシュタルに何もせず隠れながらも監視している。彼等にしても有力者同士が潰し合ってくれればが助かるのだろうけど、黒野白太にとって他の参加者なんてものはどうでもよかった。 レーダーを頼りに黒野白太/イシュタルは道を誘導するかのような位置に隠れている参加者達に従って森林を歩く。少し経つと森林の牢獄の挟間にある開けた場所、バトルステージ中央の浅瀬の川がある地帯に出た。空には満点の星、雪よりも白い満月、それ等は全て水面に鏡写され、突き出した岩石に腰を降ろすアーンヴァル型神姫の存在感を際立たせている。 「今晩は。月が綺麗ですね、竹姫葉月さん。」 「仮想空間なんですから当たり前でしょう。」 「………久し振りだな、アルテミス。」 「久し振りと言う事は貴方はイシュタルなんでしょうか?以前会った時は初代ストラーフ型神姫でしたよね?」 「色々あって前のボディが使い物にならなくなっちゃってね。神姫一転って事で移し替えたんだよ。」 「そうですか。それでも腕は落ちていないようですね。」 「まぁ元々こっち(ストラーフMk2型)に合う戦い方をしてたから。ほら、卑怯者の『刃毀れ』。」 「知っていますよ。前々から思っていたのですが、貴方は何故あんな戦い方をしているのですか? 貴方は普通に戦っても強いでしょう。」 「僕よりも強い人に強いなんて褒められても皮肉にしか聞こえないね。」 「質問に答えて下さい。『刃毀れ』。」 「他ならぬ葉月さんに渾名で呼ばれたくないんだけど。名前で呼んでくれれば答えます。」 「面倒な人ですね。答えなさい、黒野白太さん。」 「うんうん、それでいい。で、僕が『刃毀れ』として戦う理由だけど建前と本心の二つあるんだ。建前の方の理由は僕なりの手加減(と書いて騎士道と読む)だよ。」 「手加減(と書いて手加減と読む)?」 「よく考えてみてよ。武器を壊したり装甲を壊したりして僕に何かメリットはある? 無いよね。相手の武器を奪うとか装甲を奪うとかならともかくさ。僕だったら武器とか装甲を壊すくらいなら相手の急所を直接狙う。イシュタルにはそれが出来る。それをしないのはそれじゃ面白くないから武器を壊したりしてるんだ。僕には神姫バトルが強い知り合いとかいないからさ。遠征するお金も無いし。そういう縛りプレイでもしていないと神姫バトルも作業ゲーで詰まらないものになっちゃうわけ。あ、でも勘違いしないでよね。手加減して負けたからって言い訳するつもりはないよ。僕は八年間神姫バトルしていて一度でも負けていい試合なんてした事が無いのが自慢なんだから。格上相手には全身で挑んで全力で勝ちにいく。格下相手には全力で手を抜いて全身で勝ちにいく。それが僕だ。まぁ、僕としては前者の方が遣り甲斐があると思ってるけどね。」 「それが建前だと?」 「うん。本心で言えば世界一強い神姫プレイヤーの竹姫葉月に勝ちたいから。それ以外に理由なんて無いよ。」 黒野白太/イシュタルは竹姫葉月/アルテミスへと歩み寄る、川の水がぱしゃぱしゃと音を立てながら飛沫を上げて弧を描く。 「勝利よりも大事なものがあると知った風な口を叩く奴も居る。たかが神姫バトルと嘲笑う奴も居る。じゃあそいつらは今勝てなくて一体いつ勝つんだ?敗北したままで満足なのか。この人には絶対に勝てないって納得して諦観めるのか。違うだろ、親友も両親も師匠も好敵手も天敵も全ては勝つ為にあるんだろ。勝利こそがオーナーの神姫を結ぶ友情の成果だと信じている。勝利こそが積み重ねてきた努力の証明だと信じている。勝利こそが神姫バトルの全てであると思っている。だから僕は竹姫葉月に勝ちたい。イシュタルに勝ったアルテミスに勝ちたい。世界一強い神姫プレイヤーに勝ちたい。勝って僕は今よりも一歩前に進みたい!」 強く飛沫上げた黒野白太/イシュタルは両手にナイフを握り締め身を低くし身構えてキツく竹姫葉月/アルテミスを睨み完全な臨戦体勢に入っている。先程までの熱が入った詭弁とは異なりその手に握るナイフのような冷たく鋭い眼差しに竹姫葉月/アルテミスは岩石から腰を上げて月光色の大剣を手に取った。 「何と言うか、今まで好い加減な人だと思っていましたけど、実は熱い人なんですね。」 「僕は神姫バトルに勝ちたいだけの武装紳士さ。」 「そう言えば今回は神姫バトルロワイヤルですがいいんですか? 例え貴方が勝ったとしても消耗し切った状態で優勝出来ると思いませんが。」 「別にいいよ、優勝くらい呉れてやる。と言うか、そもそも僕は初めから葉月さん以外に眼中に無いし。」 「そこまで熱烈に迫られて無碍にするのは礼に欠けますね。いいでしょう、全力で御相手します。アルテミス!」 「はい、マスター!」 「今度こそ勝ちにいくぞ、イシュタル!」 「勿論だ。負けっぱなしと言うのは性に合わない!」 先に走り出した黒野白太/イシュタルは加速しつつ両手にナイフを構え付け加え副腕の両方に大剣を握らせて竹姫葉月/イシュタルに迫る。 「二刀流…いや、四刀流!?」 「独眼竜の六刀流ってぶっちゃけあれメリケンサックみたいな何かだよね!だから僕は負けてない!」 神姫自体の両手にはナイフが二丁、副腕にはリアパーツとセットになっている大剣とまた別の大剣の二振り、計四本の剣。 流石に四本もの腕から成る剣技は捌き切れないと判断した竹姫葉月/アルテミスはアーンヴァル型神姫の領域である空中へと飛び逃げる。 黒野白太/イシュタルは屈んだ両膝の動きに合わせて二本の大剣を川に叩きつけ加速させながらも上方向に跳躍し無理にでも近距離戦に持ち込もうとする。 大剣の剣先が届くまで距離が縮まった瞬間に竹姫葉月/アルテミスは空中でターンし最短最適の速さで逆方向への方向転換と加速を済ませて蹴りを叩き込んだ。追い付こうと無理に加速していた為に防ぐ暇も無く跳躍の勢いを殺されて落下する黒野白太/イシュタルへ追撃にと持っていた大剣を投げ付ける。難無く片方の大剣で弾き飛ばすが驚異的な加速でその瞬間に追い付いた竹姫葉月/アルテミスは最高速度を維持したまま自分の大剣を掴みそのまま振り下ろした。もう片方の大剣で防がれるもの重力と加速が乗っている一撃なら押し切られる、がそれを黒野白太/イシュタルの手のグレネードランチャーの銃口が覗いていた。 「BANG☆」 茶目っ気たっぷりに洒落になって無い砲撃を叩き込み二人の武装神姫の僅かな間で神姫大の規模の爆発が起きる。予め爆発による被害や衝撃を計算していた黒野白太/イシュタルは難無く川辺に竹姫葉月/アルテミスは少し吹き飛ばされてから空中で制止した。レッグやウェストに僅かな焦げ目が付いているもののダメージ自体が少なそうだ、バトル漫画でよくある衝撃の瞬間に退くとかの理屈で衝撃を激減させたのだろう。完全に決まったと思ったカウンターにアドリブで対処出来る竹姫葉月/アルテミスに羨望しつつも黒野白太は内心でくつくつと屈託有りで笑って見せる。天才、主人公補正、王道、才能、努力、邪道、悪役、思い浮かんだ全ての言葉(マイナス)は黒野白太が信条とする勝利の二文字の前に消え失せた。 「準備運動はここまでにしておこうか。」 「そうですね。」 「マスター、さっき全力で戦うって言ったばかりじゃないですか。」 「アルテミス、これは様式美と言う奴だ。つっこむだけ野暮だぞ。」 「はぁ、イシュタルはもう慣れっ子なのですか?」 「葉月と違いうちのマスターは『悪役』としてキャラ立てしているからな…。」 今度に先手を取った竹姫葉月/アルテミスは牽制射撃をするもチャージショットでの威力と速度が売りのレールガンでは足止めする事すら叶わない。と言うよりも黒野白太/イシュタルは常に必要最低限の動きしかしないのでストラーフ型とは思えない速度で接近してくる。敗北を予兆する黒猫の想像(イメージ)を振り払い竹姫葉月は『女帝』として世界最強の神姫プレイヤーとしての誇りを懸けて全力で迎え撃った。 黒野白太/イシュタルは武器を壊すから『刃毀れ』と呼ばれている通り竹姫葉月/アルテミスの渾名『女帝』にも当然ながら由来はある。竹姫葉月/アルテミスが何故『女帝』と呼ばれるようになったかその理由は至って簡単でシンプルに彼女達が強いからである。これと言って際立った武器も戦法も無く王道(セオリー)で勝ち続け世界最強にまで辿り着いた器用貧乏の最終形態こそが『女帝』である。 世界最強にして世界最高の『女帝』に対し黒野白太が採った戦法は「特に何もしない事」即ち竹姫葉月と同じく王道に基づいて戦うというもの。普段は状況や環境を自分の有利なように変える黒野白太が竹姫葉月と同じ戦法を選ぶに際し感傷的な感情が一切無いとは言い切れない。 例え相手と同じ土俵であっても黒野白太は負けるつもりは一切無いしそして勝つ秘策もあった。その秘策を公開する前に出来るのであれば勝利したかったが竹姫葉月/アルテミスはそう簡単に倒せる相手ではない。 アーンヴァル型の王道に従い制空権と空中での制動力を盾にし黒野白太/イシュタルによる手数のアドバンテージを覆す。加速と重力を上乗せさせたハンマーの一撃は四本の腕による防御の上からでもダメージを与えるだけでなく高度も激減させる。急加速と急停止を自在に出来る制動力をフルに活かし大剣による一撃離脱戦法を繰り返し少しでも隙を見せればレールガンの雷が落ちる。 一発目と二発目のフルチャージレールガンは大剣で弾き飛ばしたが三発目により副腕の一本が破壊された。自分から近付く事の出来ないジレンマと一方的に攻撃される苛立ちが招いた誤作動であるがこの一撃が逆に黒野白太を冷静にさせた。壊された副腕の大剣をリアパーツの鞘に納めて回収し四発目となるフルチャージレールガンを残った副腕の大剣で弾き飛ばす。そのまま黒野白太/イシュタルは微動だにせず待ち構えている、ストラーフ型の王道である不動戦法。 あのように待ち構えられてはレールガンは弾丸の無駄になるだけと判断した竹姫葉月/アルテミスは一撃離脱を狙い大剣で斬りかかる。それを受け止めたのは黒野白太/イシュタルの素体が手に持つ大剣、副腕はグレネードランチャーの銃口を川と垂直になるように向けて引き金を引いた。爆発を踏み台に飛び上がりつつも急加速、素早く大剣を盾にした竹姫葉月/アルテミスを踏み台にしてさらに上昇し制空権を完全に奪い取る。今まで散々苦しめられた重力を裏切らせ黒野白太/イシュタルは身体の向きを調節しつつ殆ど相手を見ずに大剣を投擲した。 アーンヴァル型でなら投擲された大剣を回避するのは容易いが本命は大剣の陰に隠れるように投擲された二本のナイフをくっ付けて出来た手裏剣。手裏剣は意思でも持つかのように回避動作を採った竹姫葉月/アルテミスを追跡し大剣が川に叩きつけられると同時にその刃が竹姫葉月/アルテミスの喉を突き破った。 完璧に仕留めた感覚が黒野白太/イシュタルがあった、観客達も世界最強の神姫マスターの痛々しい姿に静かな悲鳴を上げる。 だがジャッジが判決(コール)を下す事は無かった、竹姫葉月/アルテミスは喉に刺さった手裏剣を引っこ抜いてその辺りに投げ捨てた。歓声がドッと沸く、正義の味方は負けないんだと観客の誰もが共感する、唯一現状を把握する黒野白太/イシュタルを除いて。 『在り得ない。今の手裏剣はで確実に喉の急所を貫くよう気流を計算して投げたと言うのに。』 『もしかして川の水か?』 『何か気付いたのか?』 『手裏剣が当たる直前に川の水を蹴り上げて手裏剣に掛けたとすれば…完全な計算は完全故に狂う。』 『馬鹿な、あの二人は手裏剣に気付いていなかったはずだ。』 『僕達の勝利じゃない以上はそう仮定するべきだよ。』 努めて冷静にイシュタルを宥める黒野白太であったが今の手裏剣で仕留められなかったのは非常に不味かった。グレネードランチャーを副腕に撃たせての急速な加速により制空権を奪いそれから一気に仕留める気でいたのだがそれに失敗した。一度見せた手が二度と通用するとは思えない、相手はそれだけの技量を持っていると考えるべきだ。その予感は的中し制空権を取り戻した竹姫葉月/アルテミスはハンマーを振り翳して徹底して黒野白太/イシュタルの奇襲を補助する副腕の破壊を狙い始めた。 先の失敗で手軽なナイフを失った事のもまた痛く大剣の二刀流では一撃を防ぐ事は出来ても反撃するまでの時間が取れない。それから数度の襲撃を経て等々大剣を握る副腕は軋み上げ動きが鈍ったその隙に肘の部分を粉砕された。神姫自身にダメージは殆ど受けてないものの副腕を破壊され手裏剣は何処かに捨てられ残された武器は大剣とグレネードランチャーのみ。奇しくも黒野白太/イシュタルの今の状況は彼等自身が手加減と称した『刃毀れ』の戦法で武器を破壊された対戦相手の状況によく似ていた。 『イシュタル、やるぞ。構えろ。』 『やっとか。待ち侘びたぞ。』 尚も一切の敗北を認めず激しいまでの勝利への渇望に燃える双眸を見た竹姫葉月/アルテミスは油断無く大剣を身構えた。その直感は間違いでは無く黒野白太/イシュタルはまだとっておくきを、奥の手を残している。黒野白太/イシュタルの瞳の底、竹姫葉月/アルテミスが勝利への渇望を見たそこに、無数の真っ黒な蟲のようなものが蠢き始めた。 「「バイツァ・ダスト。」」 …。 …。 …。 その後、黒野白太/イシュタルは敗北した。 だが竹姫葉月/アルテミスもまた『バイツァ・ダスト』を破る際に重傷を負い勝敗が決した瞬間に別の参加者に襲撃され脱落した。悪役の黒野白太/イシュタルが敗北した時には歓声が湧いたが、正義の味方の竹姫葉月/アルテミスが敗北した時には何も起こらなかった。 それも当り前で、そもそも今回のバトルルールはバトルロワイアルである、激戦で消耗した相手を狙ったところで何か咎があるはずが無い。いや、よくよく考えれば今日の竹姫葉月/アルテミスもまた初めからバトルロワイアルをやるつもりでバトルロワイアル用の武装をしてやって来たのだろう。それに対し初めからタイマン用の装備で挑んだにも関わらず負けた黒野白太/イシュタルはこの上なく惨めな敗北をしたのかもしれない。 かもしれない、じゃなくて、したのだろう、筺体から離れた黒野白太を待っていたのは観客のニヤニヤした視線。あれだけ残酷な事をやって、あれだけ格好付けた事を言って、それでも負ければ、待っているのは周囲からの冷やかな嘲笑である。イシュタルは目を伏せて何も答えない、例えマスターが勝手にやった事であっても神姫にその責任が無いとは言えないからだ。そして黒野白太はと言えば、泣いているのか笑っているのか判別の付かない、ヘラヘラとした笑顔を浮かべる。 「また負けたね。」 「…。」 「また負けちゃったね。」 「五月蠅い、黙れ。」 イシュタルに怒られて流石の黒野白太も口を噤む。 負け慣れているからヘラヘラと笑っていられる黒野白太であったが矢張り神姫にとって敗北とは決して慣れるものではないらしい。竹姫葉月との勝負には負け、イシュタルの機嫌は損ね、後に残っているのは自転車で三時間掛る帰り道である。まぁ僕は主人公じゃないんだし仕方は無いか、と無理矢理にでも自分を納得させる黒野白太であった。
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ウサギのナミダ ACT 1-33 ■ わたしは周囲の明るさに刺激されて、目を覚ます。 地面に手をついて、身体を起こす。 手には柔らかな感触。 草だ。 そして小さな花。 辺りを見回す。 驚いた。 そこは一面、色とりどりの草花で埋め尽くされていた。 近くには青い水をたたえた湖。 周りは濃い緑の木立に囲まれている。 さらにずっと向こうには、薄墨を流したような色で、山々が連なっている。 美しい風景。 こんなに光溢れた風景は初めて見る。 なぜなら、お店を出たのはこれが初めてだったから。 ……初めて? なにかが引っかかったけど、些細なこと。 わたしは立ち上がり、自分の格好を見る。 バニーガールのような姿。 いつもと変わりない。 わたしが辺りを見回すと、すぐ近くに、白い小さなテーブルと椅子がおいてあるのが目に留まった。 そこで三人の神姫が談笑していた。 「……あら? 気がついたのね、二三番」 わたしの正面にいた神姫が、にっこりと微笑みかけてくれた。 知っている顔だった。 「七番姉さん……」 他の二人も、わたしに振り向いた。 「やっと起きたか~」 「あはは、おはよー、二三番」 赤い髪をポニーテールにした神姫はざっくばらんな口調で、もう一人のツインテールの小柄な神姫は無邪気に、わたしに声をかけてきた。 「一四番さんに、三六番ちゃんも……」 そうすると、ツインテールの三六番ちゃんは、椅子から立ち上がった。 わたしの方に駆けてきて、抱きついてくる。 「どこ行ってたの? 心配してたんだよ?」 本当に心配そうな顔で、わたしを見上げてくる。 彼女は、わたしより、ずっと後にお店に来た神姫だった。 ある夜、お客さんにひどく虐められて泣いていた彼女を慰めた。 それから彼女はわたしのことを慕ってくれている。 わたしも三六番ちゃんを妹みたいに思っていた。 「うん……ちょっと……お客さんに連れ出されて……」 ……そのあと、どうしてただろう。 思い出せない。 わたしが困った顔をしていると、三六番ちゃんは笑って、 「いいよ、二三番が無事だったら、それで」 そう言ってくれた。 彼女はわたしの手を引いて、テーブルの方へと連れて行く。 三六番ちゃんは、薄い黄色のドレスを着ている。 よく似合っていて、とてもかわいい。 テーブルの前にくると、七番姉さんが空いている椅子に座るように促した。 その前に。 わたしは尋ねる。 「あの……ここは、どこですか?」 「あら、聞かされていないの?」 「……はい」 「ここは、NPO法人・紳士淑女の友の会にある、神姫AI保管用サーバーの中よ」 □ 「AI移送接続ソフト、だと……?」 「そうさ」 井山の奴は、したり顔で頷いている。 ギャラリーはざわめいていた。 おそらく聞いたこともない人が大半だろう。 俺も何かでそんなソフトがあることを読んだ程度だった。 ネットワークに接続している神姫のAIの意識を、任意の場所に送り込むソフトウェアだ。 似たようなことは武装神姫でも日常的に行われている。 アクセスポッドから筐体に接続するのと仕組みはあまり変わらない。 遠方の対戦者ともネットワークで対戦もできるわけだから、ある意味、アクセスポッドで接続中は、神姫とAIは分離しているとも言える。 だが、それはマスターと神姫自身の同意があって行われる行為だ。 奴の言うAIの移送接続は、第三者によって、神姫のAIの意識を別の場所に飛ばしてしまう。 先ほどの攻撃は、そのためのソフトウェア攻撃ということらしい。 「……はじめから、これが狙いか」 「やっと気がついたのかい? バーチャルバトルだと、戦闘中にネットのバイパス作ってやるだけですぐに飛ばせるから簡単なんだ。ひゃはははは!」 塔のステージは、視界を隠すものが何もない。 ティアにクロコダイルを見せて怖がらせ、逃げ場がないことを演出する。 それと同時に、常にティアの視界にクロコダイルが入ることになり、視覚入力ウィルスの感染をより確実にする。 ウィルスに侵入されたメモリは、リソース不足に陥り、セキュリティソフトを立ち上げることさえままならない。 そうして動きを止め、セキュリティも万全でないティアに、AI移送接続ソフトによる攻撃で、AIの意識を別の場所に飛ばす。 ……奴の策に、まんまとはまったのだ。塔のステージを許可した時点で。 情けない。 悔しさに俺は拳を握りしめる。 「……答えろ……ティアはどこだ……」 声に悔しさが滲んでいるのを自覚する。 「くくく……心配しなくてもいいよ。アケミちゃんは今、昔の……神姫風俗の仲間と感動の再会ってところさ」 「なん……だと?」 「風俗の神姫を保護しているNPO法人のサーバーだよ。いまごろ、積もる話に花を咲かせてるんじゃないの?」 ■ 「その格好は、ここでは似合わないわねぇ」 緩いウェーブの入った麻色の髪を掻き揚げながら、七番姉さんが言う。 見れば、彼女は胸元の大きく開いた水色のドレスを纏っている。色っぽい。 わたしはいつもの、バニーガールの姿だ。 「あ……でも、わたし……ドレスの持ち合わせなんて……」 「大丈夫」 一四番さんが、わたしに微笑んだ。 「ここはバーチャルの世界。あたしたちがイメージすれば、好きな服装にぱっと着替えられるよ」 そういう彼女は、スリットの深く入った、真っ赤なチャイナドレスを着ていた。 わたしは目を閉じてイメージしてみる。 どんな服を着てみたいだろう。 そうだ、いつか見た、白いワンピースとサンダル。 彼女はとてもきれいだった。彼も彼女に見とれていた。 ……彼と彼女って、誰だったろう。 些細な考えはひとまず棚上げする。今は服だ。 イメージしたワンピースとサンダルを黒に染め上げ、自らが纏った様子をイメージする。 すると…… 「わあ……かわいい!」 三六番ちゃんの声に、わたしは目を開く。 わたしがイメージしたとおり、黒のワンピースを着ていた。 三人とも微笑んでいる。 テーブルの上には、ケーキと紅茶がおいてある。 わたしは空いている椅子に腰掛けた。 「あの……他のみんなは……?」 気になっていたことを尋ねる。 すると、七番姉さんが答えてくれた。 「もうみんな、新しいマスターの元へ行ったわ。残っているのは、わたしたちだけよ」 「まあ、焦っても仕方がないし。あたしたちももうすぐ、マスターが来てくれるさ」 一四番さんが言う。 お迎えがこなくても、ことさら焦っているわけではないらしい。 わたしはティーカップを口元に運んだ。 穏やかな時間だった。 痛みもない、苦しみもない。仲間たちとの優しい時間。 これはずっと、わたしが求めていたもの。 わたしは自然と微笑んでいた。 □ 不可解だった。 AIを自由に飛ばせるのなら、自宅のサーバーに飛ばしてしまえば手っ取り早いはずだ。 それを何で、NPO法人の、しかもティアの知り合いの神姫がいるサーバーなのか? 「どういうつもりだ……なんでそんな回りくどいことをする?」 「なぜって……」 井山は、醜い笑顔をさらに挽き潰したような顔をして、歓喜を露わにした。 「決まってるじゃないか! 絶望だよ! アケミちゃんを絶望のどん底に突き落とすのさ!! 昔の仲間と楽しく話してさ、終わった頃に自分の身体に戻ってみたら、ボクの家なんだ。 目の前にはボクとクロコダイル。 アケミちゃんはどんな顔をすると思う? 君の名前を泣き叫ぶ!? それとも恐怖のあまり絶叫するかな!? 想像するだけでゾクゾクするよ!! ひゃははははは!」 ……もう、許さないとかじゃない。 怒りさえ通り越して。 俺は、生まれて初めて、他人に憎悪を抱いた。 こんな奴が今生きているのが間違っていると、本気でそう思った。 「……ティア!」 諦めるわけにはいかない。 ティアを、大切なパートナーを、こんな奴に渡すわけにはいかない。 「ティア! 帰ってこい! こんなところで、終わりにするわけにはいかないんだ!」 「ひゃははははは! 無駄無駄! 聞こえるわけないじゃん!」 いや届く。俺は思う。 今のティアは、意識が別のところに離れているだけで、機能は何も失われてはいない。 だから、ティアのAIがこちらの身体を意識すれば、俺の声は聞こえるはずだ。 何の根拠もなかったが、俺は信じていた。 その考えにすがっていただけなのかも知れないが。 「遠野、サレンダーしちまえ。こんなバトル、何の意味もねぇ! 奴が何か騒ぎ出しても、俺が何とかしてやる。だから……」 大城の言葉を俺は速攻で否定した。 「だめだ」 「なんで!?」 「ゲームを終了すると、ネットワークが切断されて、ティアの意識が向こうのサーバーに置き去りにされる可能性がある」 俺の言葉に、大城は絶句した。 井山は向こうのサーバーにいるティアの意識を取り出すことができるのだろう。 だからこそ、あんなまわりくどい場所に送り込んだのだ。 俺は今、ティアを人質に取られているも同然だった。 俺にできることは、ティアに呼びかけるほかにはない。 「ティア……戻ってこい、ティア!」 俺はティアに呼びかけながら、いくつかの作業を行う。 ティアが戻ってきたときに、十分な状態でバトルができるように。 しかし、モバイルPCのキーボードを操作する手はもどかしい。 俺が壊した右手は、包帯もとれているが、まだ以前の通りに動かすのは難しかった。 「くそ……」 それでも俺は、必死でキーを叩く。 もどかしさに焦りが募ってくる。 すると。 「……遠野、代われ!」 大城が俺からモバイルPCを奪い取った。 「大城?」 「俺が代わりにこっちの作業をしてやる。指示をくれ」 「……大丈夫なのか?」 「なめんなよ。バイクも神姫もやってんだ。メカいじりは得意なんだよ」 うそぶくだけあって、大城のキータッチは意外なほどなめらかだった。 俺は大城に、いくつかの調べものを依頼した。 俺は呼ぶ。ティアの名を。必ず帰ってきてくれると信じて。 それがたとえ、はかなく小さな希望だとしても。 不安が大きく、心細くて、信じる心が折れそうになっても。 それでも、俺は諦めるわけにはいかなかった。 ティアの名を呼び続ける。 ■ わたしは振り向いた。 そこにあるのは、湖畔を吹き渡る風だけだった。 ……誰かに呼ばれたような気がしたのだけど。 「どうしたの?」 三六番ちゃんの声に、 わたしはテーブルに向き直る。 「ううん……気のせい、だったみたい」 三人とも、くつろいだ様子で、穏やかな日差しの中のお茶会を楽しんでいる。 総勢二十人以上いた、お店の神姫たちは、一人、また一人と、新たなオーナーに引き取られて行ったのだという。 神姫の保護を目的とするNPO法人・紳士淑女の友の会では、身元のよくない人間のところには、神姫を里子に出したりしない。 だからきっと、みんな今頃幸せになっているだろう。 三人はそう言った。 わたしも談笑に混じる。 話題はやっぱり、今後のこと、マスターのこと。 みんながどんなマスターに仕えたいのか、わたしも興味がある。 「わたしは……そうね、優しい男の人がいいわ」 そう言うのは、七番姉さん。 彼女はわたしよりずっと前から、お店にいた神姫。 一桁台の神姫で残っていたのは彼女だけで、年長者ゆえに、みんなのまとめ役だった。 優しいお姉さんという感じで、みんな彼女を慕っていた。 「落ち着いた大人の人がいいわね。 それで、マスターのお仕事のサポートがしたいわ。 マスターがお疲れの時には、ご奉仕するのもいいかも、ね」 そう言って艶っぽく笑う。 ものすごく色っぽくて、こっちの方が気恥ずかしくなるほどだった。 「あたしは武装神姫になりたいな。ばりばりのバトロンプレイヤーのマスターがいい」 一四番さんは、お店の神姫の中でも、ムードメーカー的な存在だった。 お客さんに酷いことをされても、翌日には、あっけらかんとした顔で笑っていた。 自分が傷ついていても、他の傷ついた神姫のために笑える、そんな神姫だった。 「できれば接近戦装備で、ガチの殴り合いとか。ストラーフ装備なんか理想だね」 「でもそれ、マスターの話になってないよ?」 「……まあ、マスターはイケメンに越したことはないよな~。それで、バトルの時は厳しいけれど、勝ったら優しくしてくれるの」 頬を染めながら言う一四番さんは、今まで見たことがないほど可愛いらしかった。 他の二人は、 「ふ~ん」 と言って、含み笑いで彼女を見ている。 すると、一四番さんは急に照れくさそうになって、 「そ、そういう三六番はどうなんだよ」 そう言ってごまかした。 三六番ちゃんは、すました様子で言う。 「わたしは、女の子のマスターがいいな。一緒におしゃれしたり、遊びに行ったり……きっと楽しいと思うの」 夢見るような表情で言う。 彼女は見た目も小さくて可愛らしく、感情も女の子らしい。 「小学生か、中学生か、そのくらいの可愛い女の子で、いつも一緒にいてくれたら嬉しいな」 彼女に女の子のマスターは、とてもお似合いのような気がする。 一緒に遊んだり笑ったり……楽しげな様子が目に浮かぶよう。 他の二人も、目を細めて頷いていた。 「ねえねえ、二三番は、どんなマスターに仕えたい?」 「え、わたし……?」 三六番ちゃんが興味津々といった様子で尋ねてきた。 ……わたしが仕えたいマスター? そう考えると、誰かのシルエットが頭に浮かぶ。 テーブルに向かう三人が、わたしの答えを待っている。 ……また、誰かの呼ぶ声が聞こえた気がした。 ◆ 「うふふふ、久しぶりに、クロコダイルでいじってあげるよ。ギャラリーにもサービスしないとね?」 井山の声と共に、クロコダイルがするすると動き出す。 ティアの目の前に降り立つと、クロコダイルはティアの身体を立ったまま横抱きにした。 スカートの下から八本の触手がにょろにょろと伸びてくる。 触手はティアの細身にからみつき、うぞうぞと蠢き始めた。 ティアは四肢の先まで触手にからめ取られ、危うい部分にも触手が這っている。 クロコダイルはティアの乳房をもみしだきながら、恍惚とした表情を浮かべた。 『ああ……この感触、久しぶりだねぇ……』 ティアは何の反応も見せない。 触手に責められる恥態を見せてなお、瞳に光は戻らない。 塔内部で繰り広げられる神姫の陵辱劇に、井山もよだれを垂らさんばかりの歓喜の表情を見せていた。 「ひゃは、ひゃははは……や、やっぱり、アケミちゃんはサイコーだよ……これで悲鳴を上げてくれたらもっといいのに……」 だらしない声を上げる変態男に、氷より冷たい言葉が投げつけられた。 「ちょっと……あなたも神姫マスターなら……もっと正々堂々と戦ったらどうなの!?」 ギャラリーが声のするほうに視線を向ける。 菜々子だった。 『エトランゼ』と呼ばれる凄腕のマスターが、見たこともない怒りの表情で叫んでいた。 「ずるい手ばっかり使って……相手の神姫にこんなことして……恥を知りなさい!」 「はあ?」 ところが井山は、菜々子の氷点下の言葉さえ、厚い面の皮で阻んだ。 それどころか、お楽しみを邪魔されて、不満そうだ。 「ずるい手って言ってもさあ、そんなのに引っかかる方が悪いし。 第一、正々堂々戦ったって、勝てなくちゃ意味ないじゃん。アケミちゃんを賭けてるんだしさぁ」 「な……」 「だいたい、キミになんでそんなことを言われなくちゃいけないんだよ。外野は黙ってなよ」 「わたしは……遠野くんの仲間よ」 「はははっ、仲間だって~? キミこそ、そんなこと言って恥ずかしくないの? それに仲間だからって、キミには何もできないだろ?」 「く……」 菜々子は唇を噛んだ。 確かに、彼女に今できることは何もない。 それどころか、奴を刺激すれば、ティアが危なくなる。 そんなことは分かっていた。 でも、言わずにはいられなかったのだ。 こんなのは、こんな戦いは、彼女が憧れたバトルロンドじゃない。 だが、井山は菜々子の想いをたやすく打ち砕く。 「引っ込んでなよ。じゃないと、今すぐアケミちゃんを殺しちゃうよ?」 菜々子はうつむいて、押し黙った。 ティアの意識を人質に、井山は強力なアドバンテージを得ている。 奴の言うとおり、今の菜々子にできることなど何もない。 彼女はただ、唇を噛み、拳を握りしめることしか出来ないのだ。 □ 久住さんの気持ちはよく分かるし、ありがたいと思う。 もしできるなら、俺だって、今すぐ井山の顔を殴り飛ばしてやりたい。 ティアの状況の方が、優先順位が上というだけの話だ。 俺がこうしてティアに呼びかけている間も、井山は笑いながら、俺と、ディスプレイ上のティアを見比べている。 ギャラリーはなぜか押し黙っている。 バトルロンドコーナーには、俺の呼び声と、井山の高笑いだけが響いていた。 「よし、終わったぞ」 大城が呟くように言って、モバイルPCを俺の方に向けた。 俺は画面の表示内容をチェックする。 大城に左手でOKサインを出した。 大城はにやり、と笑った。 大城のおかげで、ティアのリソースを奪っていたウィルスは削除され、セキュリティソフトが立ち上がった。 これでティアの電子頭脳が無駄な作業をすることはなくなり、AIが指示した働きを正常に行うことができる。 俺の呼びかけも、通りやすくなるかも知れない。 バトルも支障なく再開できる。 これで今やるべきことはすべてやった。 そのせいか、俺は不思議と落ち着いていた。 心は穏やかでさえあった。 俺は、遙か彼方にいるティアの心に向かって、静かに、語りかける。 「ティア……聞こえるか? お前と出会って、いろんなことがあったな。 つらいことも、たくさんあった。 それを乗り越えて、俺たちはようやくパートナーになった。 俺は今でも、本当に嬉しく思ってる。 ……俺は気づいていたよ。 お前が、前いた店の神姫たちの心配を、ずっとしていたこと。 だからこそ、お前が自分の過去に捕らわれて、自分に劣等感を抱いていることも。 お前が、昔の仲間と出会ったら、心はそちらに惹かれてしまうのかも知れない。 ずっと一緒にいたいと、思うのかも知れない。 ……それでも俺は、お前を諦めたくない。 昔の仲間と引き離しても、俺の神姫にしたい。 俺の独りよがりだって、わかってる。 でも、諦められないんだ。 ティアは、俺がやっと探しあてた、たった一人の神姫だから。 お前以外に自分の神姫なんて考えられないから。 だから、ティア。 頼むから……帰ってきてくれ」 それでも、ティアの瞳に、いまだ光は戻らない。 ◆ 美緒は遠野の背中を見つめていた。 静かで落ち着いた口調。一途な想いが胸に迫った。 でも、なんで、遠野さんの肩は小さく震えているの? 椅子の両脇におろした手は拳をきつく握りしめているの? 美緒と三人の仲間たちは、今回の事件をずっと見ていた。 エトランゼとのバトルに始まり、ゴシップ誌にティアが載ったときも、遠野が常連たちに怒りを露わにしたときも、菜々子が三強を薙ぎ倒したときも、クイーンがティアを助けた雨の日も、ティアとクイーンの技の応酬も、そして今日のバトルも。 そしてわかったのは、遠野とティアの、お互いに一途な想い。 マスターと神姫になりたい、と。 店売りの神姫であれば、オーナーがパッケージを開いてすぐに叶う、当たり前の関係。 彼らはそれをやっとの思いで掴んだ。 美緒も二人を応援していた。彼らにほんの少しでも関われたことを、誇らしく思っている。 それなのに。 卑怯で下劣な男の手によって、ティアが理不尽に奪われようとしている。 なんで? どうして遠野さんとティアは、当たり前のことさえ、許してもらえないの? そう思ったとき、美緒は理解した。 遠野が震えているのは、ティアを奪われることを恐れているからだ。 大型ディスプレイを見上げれば、敵の醜悪な神姫が、ティアの身体を触手に溺れさせている。 このままティアが負けてしまえば、彼女の心は昔の仲間と再会していたとしても、最後にはあの男の元へと連れ去られてしまう。 あれだけの苦労をしてパートナーになった神姫を失ってしまうのだ。 怖くて当たり前だ。悔しくて当然だ。 必死に耐えている、その遠野の背中を再び見た。 美緒は気がついた。 ひとつ、ふたつ、何かが床にこぼれ落ちている。 それが。 遠野の拳からしたたる、赤い血だと気がついたとき。 美緒の身体を衝動が駆け抜けた。 「ティアッ! 帰ってきなさいよ!! あなたの居場所は、ここでしょぉおっ!?」 叫びが勝手に口からほとばしった。 気がついたときには、バトルロンドのコーナーにいるすべての客が、美緒を見ていた。 菜々子も驚いた表情でこちらを見ている。 涙目になりながら、とっさに口を押さえた。 大人しいと思われている美緒が、感情にまかせて叫んでいる。 驚かれるのも当然だった。 ギャラリーの視線が痛い。 でも、叫んだ言葉は本心だった。 わたしは間違ってない。間違ってなんかいない。 だから、勇気を振り絞り、さらに言葉を紡ごうと、手を口元から降ろす。 その時。 「そうだ! 美緒の言うとおりだ! 帰って来いよ、ここに!」 「あなたのマスターも、友達も、仲間たちも! みんな待ってますよ、ティア!」 「わたしたちだって、帰ってきて欲しい! もっとお話したい、バトルもしたい……友達になって欲しいの!」 「だから、帰ってきて、ティア!!」 美緒の仲間たちが次々に言葉を投げた。 少女たちの必死の叫びを、かの男がせせら笑う。 「きゃははは! そんなの、いくら叫んだって届くわけ……」 「届く! 届くもん! 絶対に……届くんだからぁっ!!」 井山の言葉を遮って、美緒は泣きながら叫んでいた。 すると、四人の神姫たちも、ティアに声を届けようと叫び出す。 それにつられて、今度はギャラリーの神姫たちも。 大勢の声が、ティアを呼ぶ。 そして、驚いて周囲を見回していた、菜々子と大城も、遠野の座る椅子に手を回して、声を上げた。 「ティア、遠野くんを悲しませちゃダメ! 帰ってきなさい!」 「俺たちの約束を破るつもりか? もう待てねぇぞ、さっさと帰ってこい!」 ミスティと虎実も。 「いなくなられるのが、一番悲しくて迷惑だって言ったでしょ!? わたしは待ってるから!」 「アタシは約束を守ったぞ!? アンタも約束を守れよ! 帰ってきて、バトルしてくれよ、ティア!」 誰もがティアの帰還を願っていた。 誰もが、想いを届けたくて、その神姫の名を呼んだ。 しかし。 すべてを断ち切る、絶望の声。 「あ~あ、シラけるんだよねぇ。お友達ごっこはさあ」 井山の声はひどく気怠げに聞こえた。 しかし、騒がしかった周囲を抉るように響いた。 □ 俺の視線は、不機嫌そうな井山の顔を捕らえる。 お友達ごっこ、だと……? この状況で、そんなことが言えるなんて、どれだけ傲慢なんだ。 井山は俺の視線など気付きもしないで、クロコダイルに指示を出す。 「あーあ、もうつまんなくなっちゃったからさぁ、終わりにしようか。 ハンマーで、アケミちゃんの首、飛ばしちゃいなよ」 『アイアイサー』 クロコダイルは名残惜しそうに触手をほどき、後ずさる。 その後ろには、ストラーフ装備の「ジレーザ・ロケットハンマー」が転がっていた。 「やめろ……やめろよ、井山ぁっ!!」 俺は叫び出していた。 終わってしまう。 こんなところで。 俺の形相はよっぽど必死そうに歪んでいたのだろうか。 井山は嫌らしい笑みを浮かべた。 「ひゃはっ、見ているといいよ、アケミちゃんの首が飛ぶところ! それで、後悔のあまり、泣き叫んでよ! ひゃははははは!!」 クロコダイルが、ハンマーを拾い上げる。 その顔には、狂気の笑みが貼り付いている。 ティアは棒立ちになったまま、いまだに何も見てはいなかった。 「ティア、ティア! 帰ってこい! 頼むから、帰ってきてくれっ!!」 終わるのか。 こんなところで、本当に終わってしまうのか。 俺はもう、何もできないのか。 こうして、ただ空しく叫ぶことしかできないのか。 お前の走りを見ることもできないのか。 お前と笑いあうこともできないのか。 「ティア! 早く! 帰ってきてくれ! ティアッ!」 筐体のディスプレイの中。 クロコダイルがゆっくりとティアに歩み寄るのが目に入った。 ■ 思い浮かぶシルエットは、だんだんとはっきりとした輪郭を取る。 想いが形になり、像を結ぶ。 その人は…… わたしが、望む、マスターは…… □ ティアは動かない。 クロコダイルがハンマーを横に構えた。 狂気をはらんだ笑みが膨らむ。 届け、届けよ! 俺の声! 俺の想い! みんなの呼ぶ声! ティアに届いてくれ!! 頼む……!! 『グッナイ、アケミ』 クロコダイルの呟き。 ハンマーが横薙ぎに振るわれる。 ティアの頭めがけて。 「ティアアアアアアアアァァァァーーッ!!」 瞬間、時が凍った。 次へ> トップページに戻る
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特技詳細 バトルマスター 01 攻撃力+5 全職業にて攻撃力が5増加する 02 最大HP+30 全職業にて最大HPが30増加する 03 守備力+5 全職業にて守備力が5増加する 04 最大HP+70 全職業にて最大HPが70増加する 05 正拳突き 拳専用 通常攻撃+大ダメージ(技選択後ジャンプ攻撃) 06 捨て身 HPを削り、通常攻撃+固定ダメージ中(技選択後ジャンプ攻撃) 07 守備力+10 全職業にて守備力が10増加する 08 攻撃力+10 全職業にて攻撃力が10増加する 09 前衛系盾装備可 全職業にて重い盾が装備出来るようになる 10 爆裂拳 拳専用 連続8回攻撃による特大ダメージ(技選択後ジャンプ攻撃)
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ルール 入店ごとに神姫ポイント1000が必要(初回除く) 勝つと負けた相手からパーツを奪うことが出来る(負けると逆にパーツを没収される) 奪われた武装で未入荷のものは各ショップに入荷される。 退店せずにバトルを繰り返すことで新たな対戦相手が出現する(店を出るとリセットされる) 通常のマップと異なる部分がある(砂漠は風が吹いて流される。廃墟は霧が発生して視界が悪化) 制限時間:300秒 ルール:シングルマッチ マスター 神姫 マップ ドロップ 出現条件 元ネタとか攻略情報とか 美馬坂真尋 ドナ 砂漠 RG8レールガンしましまテイル+BKココレット+IRリコーダー+IR 最初から クリア後再戦不可一部神姫はゲームセンター対戦時とは異なり専用台詞を言う 八月十五日 ジンジャー 廃墟 つれてけご主人様+BKセブンエッジ+IRトンファー+IRアイゼンイーゲル黒+SK 最初から 旧暦8月15日は中秋の名月。クリア後再戦不可 グレーテル ヘンゼル 砂漠 ヴァンダーフォルケ+BKスティレット+IRフルストゥ・クレイン+IRジークムント 最初から 童話「ヘンゼルとグレーテル」から。クリア後再戦不可 真紅女帝総長 沙耶香 砂漠 ビーハイブトゥインクルバトン+IRエアリアルランドセル+BKJLスナイパーライフル 一勝する 犬養創 ヤマト 廃墟 アイゼンイーゲル銀+IRヘルゲートブラスターヴァルナー・テイル+BK 二勝する 神撰組局長 コテツ 砂漠 MSR22スナイパー+IRアイゼンイーゲル黒+CGFB 1.2mm滑腔砲 三勝する 趙飛燕 夏姫 廃墟 日輪光背+BK偃月刀+IR偃月刀+msくろがねのドリル+IR 四勝する 愛猫党党首 ターニャ 砂漠 E=フローター+BK研爪スタンロッド+IR手榴弾+IR 五勝する 左藤楓 メープル 廃墟 M49ショットガン黒+IR-9サブマシンガングラスパピヨン+BKBKピストル+IR 六勝する スキュラ 殺姫 廃墟 FL15バトルスタッフローク+IRシュラム・RGランチャー+IRLS7レーザーソード F1出場権獲得バトル終了後の葉月とのイベント後 4凶。2戦目に勝つと「どうしてこうなった…どうしてこうなったあああああ!」元ネタはあるゲーム実況動画でのアクシデントから。 ソロモン セーレ 砂漠 手榴弾+msLC3レーザーライフル+IR銀のスプーン+IRブリューナク+ms F1出場権獲得バトル終了後の葉月とのイベント後 4凶。ソロモン72柱の悪魔「セーレ」から 馬取理沙 エリザベート 砂漠 フルストゥ・クレインカットラス+IRジャマダハル+IRM49ショットガン銀+CR F1出場権獲得バトル終了後の葉月とのイベント後 4凶。吸血鬼伝説のモデルになったハンガリーの貴族エリザベート・バートリーから。使用する斧「デクレサント」はDLC限定で、倒しても入荷されないので注意 伊庭寛二 13号(14号) 廃墟 シュトゥルムウントドランクフルストゥ・グフロートゥ+IRA・ホーク+IRミョルニルハンマー 自宅に帰る途中でのリリスのイベントを見ると登場 4凶。みぎぃ。初戦時(戦闘前・戦闘後)再戦時(戦闘前・戦闘後)に神姫個別台詞有り 小早川千歳 リリス 廃墟 エアロヴァジュラ+ms 4凶撃破後 再戦不可 4凶メンバー及びヴァルハラ初期メンバーは全員クリア後再戦不可。ライバルデータで「S」をとるならばヴァルハライベントを終わらせる前に取っておこう。 F1優勝後 敵の武装が大幅に強化 各神姫のイベントクリア後、該当神姫のイベントで戦闘したマスターが追加される。ただし、一部のマスターは追加されない。 本編クリア後、対戦相手に竹姫葉月、ガイア、小早川千歳、閃光魔女、痴豚、給料シーフが追加 一部の敵からカスタム装備のGRとLB、+ASを賞品として入手可能 (本人は装備していないので何がもらえるかは現在調査中。追記される方はショップに追加されたものではなく、相手からドロップした現物装備のみを記載お願いします) マスター 神姫 GR・LB・AS(レア?、2種?) その他のドロップ 出現条件 元ネタとか攻略情報とか 定岡千鶴 美礼 アキナス+AS イゾルデ+KRタートルシェル+MSヴァルナー・テイル+RD(RA)ヘリッシュクレイドル 一勝する 橋田義一 エムアール レサート・ロッドシステム+AS ガンアックス+CGフローラルシールドピンク+RDヴォーバン+BK(RA)フラッシングブレード 一勝する 時速30km 和津香 ヴォーバン+AS カイトシールド+BKレディアントアーマー黒+BKD.o.r+MS(RA)プレゼント・フォー・ユー! 二勝する 新渡戸総一 セイラ (粒)ヴィヴィアン+AS (鎚)ガンハンマー+MS(槍)ゴスロリパラソル+BK(腰)レザーパンツ+RD(RA)ウェパルアサルト 青山遊馬 かさぎ イゾルデ+AS ゴスロリパラソル+CRブーメラン+AQレザーブーツ黒+RD 熊澤晶 零 ? KT36D1ドッグテイル+MSスパイダーシェル+BKレディアントリア黒 武装神姫ZEROの主人公とそのパートナー 熊澤晶(クリア後) 零 シュラム・RGランチャー+AS タートルシェル+CGLGパピオン+MSヴイードラシューズパーツ+MS 下部惟平 ルーミ (狙)LC5レーザーライフル+LB (粒)サラ・ヴァティーヌ+ms(背)鋼の翼+BK 二勝する しもべ・いへい 白い悪魔と呼ばれた狙撃兵、シモ・ヘイヘの事か 下部惟平(クリア後) ルーミ トリストラム+AS (ミ)SLUM-ハイマニューバ+GCOSA111 Aスポイラー+MSRUシンペタラス+MS 二勝する 四朗 菊姫 アルヴォPDW11+LB 脚甲・駒駆+MSクラウ・ソナス+CG 三勝する 「模型技術が高い」「オリジナル武装を制作」「パテ盛り」などから推察するにモデルはプラレス3四郎ではなくプラモ狂四郎の主人公:京田四郎の方か 四朗(クリア後) 菊姫 アルヴォPDW11EXT+LBエレイン+AS ヴァンダーフォルケ+BKヂェリカン Coolant+MS 三勝する シーフ嫁 スリンキー アルヴォLP4ハンドガン+LB イゾルデFL017リア+グリーヴァ+MS 一勝する 給料シーフの嫁 シーフ嫁(クリア後) スリンキー (鎚)ガンハンマー+AS (楽)トリストラム+FN(背)つれてけご主人様+BK(背)ヴァンダーフォルケ 一勝する 神崎小太郎 ミホリン (脚)着陸脚"鶴林"+EX (背)しましまテイル+BK(背)FL017リア+クリウーフ+MS(腕)OB:スピネル エストリル 日向夏子 瞬 ? (爆)アグネヤストラ+CR(背)E=フローター+BK(脚)ニーソックス+RD エストリル アブソリュート ダブルゼロ リボンベルト+EX ツインソウブレード+CRヴァルナー・テイル+BKローファー黒+RD ジルリバーズ 鍋島祥子 ロミロミ ? オルフェウス+FNレザーブーツ赤+RDエアリアルランドセル+BK ジルリバーズ 啓太 キウイ ? (斧)プリシニア・ルンカ+MT(背)ターボファンウイング+BK(盾)FL012ガードシールド+KR ツガル ライオンマスク ディアナ ? アグネヤストラ+SKゴスロリトップス+RD着陸脚"鶴林"+BK ツガル ヘルマスク メドゥーサ ? ニニアン+MSつれてけご主人様FL013ガードシールド+KR ツガル 小笠原紗智子 レベッカ ? (Gt)アリサノス02スパイクアーマーE=フローター+RD イーアネイラ 南条アキラ ミツコ ? (ビ)スパイダーシェル+BK(ア)ヂェリカン:Nitro+MS(ア)レザーアーマーショルダー+RD エウクランテ 甲斐作造 ルーン ? (投)ヤタガラス(槍)ライデン・トライハスタ+SK(体)レイディアントアーマー白+RD エウクランテ 丸の内角男 スィン ? アイゼンイーゲル銀P・A・R ショットガン+CRモーニングスター+ms ゼルノグラード 鏡ウグイス パル ? 旋牙ディーカヤ・コーシカRG8レールガン+SK ゼルノグラード 金剛拳司 レアン ? エレキベース棘輪+SKLS7レーザーソード イーダ 宅内軍司 キャノ ? M49ショットガン銀P・A・R ショットガン+MTM49ショットガン銀+SK イーダ 蛇島恒夫 エント ? (ミ)ビーハイヴ+CG(ミ)カッツバルゲル+SK(槍)聖槍"ロンギヌス"+ms アーク 薄井陰蔵 クロ ? (斧)FL015バトルスタッフ(Bz)吠莱壱式+GC(狙)OS-35 AライフルEx+SK アーク 貫目百男 ニーヴァ ? モーニングスター+msスティンガー手榴弾+ms アーク 神田ヒロシ シノブ ? コート コーシカジャンシャーヌビームジッテ アーク 長富小庵斎 カーティン (腰)リボンベルト+OG (Bz)シュトルムウントドラング(狙)OS-36 AカービンEx+SK(小)ブラオシュテルン ハウリン 霧崎メルヒオット スィーフ ? フルストゥ・クレインジャンシャーヌ+SKOS-35 AライフルEx+SK マオチャオ 波多野奨 イーヴィル ? アルヴォPDW9+SKモデルPHCヴズルイフモデルPHCヴズルイフ+SK ストラーフ 小山田愛佳 ロッテンマイヤー ? (棒)スタンロッド(ド)D.o.r(狙)OS-36 AカービンEx+SK アルトアイネス 藤島哲次 ニキータ ? チャクラムジレーザ・ロケットハンマーP・A・R ショットガン+CR アルトレーネ 吾妻拓海 綺羅燐 ? 聖槍"ロンギヌス"Zel ガトリングキャノン+MTカッツバルゲル+SK フブキ 永山早苗 リッキィ ? P・A・R ショットガン+SKM4ライトセイバー+msディスインテグレーター+ms アーンヴァル 大木戸甚平 たま子 ? カッツバルゲル+SKGEモデルR G8レールガンM4ライトセイバー+ms ガイア ハーデス ヘルゲートブラスター+GROS-35 AライフルEx+GR ビームジッテP・A・R ショットガン+GC クリア後十勝する 閃光魔女 シャイナ アイゼンイーゲル銀+GR聖槍"ロンギヌス"+GR フルストゥ・クレイン+SKアイアングローブ クリア後九勝する 竹姫葉月 アルテミス -9サブマシンガン+GRナヴァグラハ+GR RG8レールガン+SKOS-35 AライフルEx+SK クリア後十勝する 陰陽熊 ファム (HG)アルヴォPDW11+GR(楽)エレキギター+GR (双)アングルブレード(Lc)LC3レーザーライフル+SK(RA)シザース・ガリアス・ドミニオール 九勝する 九頭龍 ルル (ド)旋牙+GR(散)P・A・R ショットガン+GR(槍)ミストルテイン+AS (槍)ミストルテイン+ms(大)エアロヴァジュラ+ms 九勝する ういろー ナナ アルヴォLP4ハンドガン+LBシュトルムウントドラング+GRアグネヤストラ+AS ダブルブレード鋼+msZelガトリングキャノン+MT 八勝する 埴場怜太 クラリス (散)M49ショットガン銀+GR(MG)アルヴォPDW9+LB(Gt)Zel ガトリングキャノン+AS (HG)OS-36 Aカービン(小)M4ライトセイバー+ms 八勝する 山県みちる 薫 (Lc)LC3レーザーライフル+LB(小)M8ライトセイバー+GR(狙)グロブス+AS (大)ジークフリート+ms(爆)手榴弾+MT(RA)ゲイルスケイグル 八勝する 麻呂 雛鶴 (双)フルストゥ・グフロートゥ+LB(Lc)スティンガー+GR(散)ゲッシュ+AS (投)大手裏剣"白詰草"(ミ)ビーハイヴ+SK 八勝する 兜茂 ユリコ アングルブレード+LBLC5レーザーライフル+GRグラム+AS ナヴァグラハM49ショットガン銀+SK 八勝する 音黒野美子 クロミ (HG)モデルPHCヴズルイフ+LB(HG)アルヴォLP4ハンドガン+GR(DB)WA666アマラジェーニ+AS (鎚)モーニングスター+ms(拳)アイアングローブ 八勝する 武本哲 チェリー (Bz)シュラム・RGランチャー+LB(投)チャクラム+GR (斧)グリムリーパー(Gt)Zel ガトリングキャノン+MT(RA)バレットカーニバル 七勝する 赤城春菜 麗音 (大)ラムダオ+GR(投)棘輪+LB (小)忍者刀"風花"(投)棘輪+SK 七勝する 笠嶋京香 あざみ コート コーシカ+GR研爪+LBアグネヤストラ+AS アルヴォPDW11+SK三七式一号二耗機関砲+SK(RA)ジャーヴァル・クルイク 七勝する 山中日向 葵 (拳)防壁+LB(ミ)ビーハイヴ+GR(斧)ガンアックス+AS (ミ)ビーハイヴ+MT(投)ディーカヤコーシカ(RA)ロードファイター 七勝する ドグラ・モゲラ 菊花 フォールディングナイフ+LBミョルニルハンマー+GR飛苦無"蓮華草"+AS アルヴォPDW11+SKダブルレイブレード+ms 七勝する 嶋渓フミカ エイル OS-35 Aライフル+LBダブルブレード鋼+GRサラ・ヴァティーヌ+AS LS7レーザーソードコート コーシカ+MT 六勝する 『武装神姫2036』の登場人物とそのパートナー。名前はデザイナーの島田フミカネ氏が由来。 痴豚 ミランダ アイアングローブ+GROS-35 AライフルEx+LB M49ショットガン黒+SKアルヴォPDW11+SK(RA)スリルドライブ クリア後六勝する 得川義文 葛葉 エアロヴァジュラ+LB手榴弾+GRゲッシュ+AS ブリューナク+msディスインテグレーター+ms 六勝する 偉吹玲人 まお グリムリーパー+GROS-36 Aカービン+LBタートルシェル+AS 吠莱壱式+SKD.o.r(RA)スーパーねこ乱舞 六勝する 『武装神姫2036』の主人公とそのマスター。名前の由来はデザイナーであり、『武装神姫2036』の作者でもあるBLADE氏から。 練馬大将軍 ミュー ハンド・パイルドライバ+GROS-36 AカービンEx+LBZel ガトリングキャノン+AS M4ライトセイバー+msM49ショットガン銀+CR 六勝する 真田有希那 キリカゼ ブラオシュテルン+LBビームジッテ+GR忍者鎌"散梅"+AS バトルアックス+msLC5レーザーライフル 五勝する 給料シーフ シルファ M8ライトセイバー+LBローク+LBグラム+AS OS-35 AライフルExジークリンデ+ms クリア後五勝する ケンプ 黒姫 (HG)アルヴォPDW11+LB(MG)アルヴォPDW9+AS (爆)手榴弾+SK(爆)手榴弾+MT(拳)トンファー+MT 五勝する 豪徳寺みか まりぃ (狙)LC5レーザーライフル+LB(投)飛苦無"蓮華草"+LB (楽)エレキギター(小)ブラオシュテルン 五勝する 立花茂 銀千代 (小)忍者鎌"散梅"+LB(ビ)リリアーヌ+LB(HG)EVFガン+AS (鎚)ミョルニルハンマー(小)ブラオシュテルン(RA)ドッグサーカス 五勝する 百武健心 百花 ココレット+LB リリアーヌコート コーシカ+MTモデルPHCヴズルイフ+SK 四勝する チョコレッタ・G アンネ ニンブス+AS ロッターシュテルンビーハイヴ+SKディーカヤコーシカ 四勝する 南部蒼太 フレンダー ディーカヤコーシカ+LB トゥインクルバトン+msミストルテイン+ms 四勝する 鍋島樹里 みおん ? -9サブマシンガンLS7レーザーソード+MTブラオシュテルン(RA)ATK 斧 四勝する 双蜂 ベル ? ロークドラゴンキャノン+SKアルヴォPDW9+SK 四勝する 津軽冬至 雪華 ? ディーカヤコーシカアイゼンイーゲル黒+SK大手裏剣"白詰草"+MT 三勝する 春夏冬 あきな ? (槍)偃月刀+ms(狙)Zel L・R/Sライフル+MT(Bz)シュラム・RGランチャー+SK 三勝する 猪苗代孝実 ふゆなぎ ? グリーフエングレイバーRG8レールガン+SKシュラム・RGランチャー+SK 三勝する 吉川素子 アローズ ? レイディアントリア黒(リア)M8ダブルライトセイバー+msZel L・R/Sライフル+SK 三勝する ダリル・ブレナン ドロシー ? ビーハイヴ+CR手榴弾+MTカッツバルゲル+SK 三勝する 軍曹 三等兵 ? アイアングローブ旋牙+msくろがねのドリル+ms(RA)ATK:楽器 ニ勝する 犬童太 ハナ ? ヘルゲートブラスタージークリンデ+MT手榴弾+CR ニ勝する シルバー・クレイ マリー ? 研爪スーパーシルバーストーン+MTOS-36 AカービンEx+SK(RA)一刀両断・白 ニ勝する 足利崇文 紅葉 ? ビーハイヴジレーザ・ロケットハンマー+msM4ライトセイバー+ms ニ勝する 赤橋瞳子 ハヤテ ? バトルアックス十手+msジレーザ・ロケットハンマー ニ勝する 山中美幸 ライラ 着陸脚"鶴林"+OG M8ライトセイバーFB アルファ・ピストル+SKP・A・R ショットガン+CR 一勝する 柏葉剣 ルーデル ? ハンド・パイルドライバアイゼンイーゲル黒+CGOS-36 AカービンEx+SK 一勝する 三毛屋ベンガル コモモ (腰)リボンベルト (HG)アルヴォLP4ハンドガン(Lc)シルバーストーン+SK(ミ)カッツバルゲル+SK 一勝する 柿崎静馬 ナギ アイアングローブ+AS ジャンシャーヌアイアングローブジークムント+ms 小早川千歳 リリス (Gt)ドラゴンキャノン+GR(小)M4ライトセイバー+LB (Lc)ジャンシャーヌ(Lc)ジャンシャーヌ+SK(Gt)ドラゴンキャノン+SK(RA)一刀両断・黒 クリア後九勝する 戦闘前の神姫の台詞がヴァルハラ一回目千歳初戦のものになる何度戦っても初戦と同じ台詞が聞ける 柴田勝 プルミエ ダーインスレイヴ+AS "シェルブレイク"PB+ms忍者刀"風花"+msOS-35 AライフルEx+SK 左藤楓 メープル - グラスパピヨン+BK(リア)-9サブマシンガンM49ショットガン黒+IRBKピストル+IR 六勝する 猫愛党党首 ターニャ - E=フローター+BK(リア)手榴弾+IRスタンロッド+IR研爪 五勝する 趙飛燕 夏姫 - (槍)偃月刀+IR(ド)くろがねのドリル+IR(槍)偃月刀+ms(背)日輪光背+BK 四勝する 神選組局長 コテツ ? MSR22スナイパー+IRFB 1.2mm滑腔砲アイゼンイーゲル黒+CG 三勝する 犬養創 ヤマト ? (Gt)アイゼンイーゲル銀+IR(背)ヴァルナー・テイル+BK(MG)ヘルゲートブラスター頭甲・咆皇+GC ニ勝する 真紅女帝総長 沙耶香 ? トゥインクルバトン+IRビーハイブエアリアルランドセル+BKJLスナイパーライフル 一勝する